イースター

春らしくなってくると、毎年慌てて確認するのが、「今年のイースターの日はいつか?」ということ。イースターは移動祝日なので、年によって日が違います。それも”春分のあとの最初の満月のつぎの日曜日”という決め方なので、年によっては半月以上も変わる事があるのです。調べてみると、今年は4月4日でした。

 

イースター(復活祭)は、日本ではまだまだなじみの薄いイベントですが、キリストの復活を祝う日として、欧米ではクリスマスと並ぶ重要なイベントです。(イースターの前の金曜日と後の月曜日は欧州の株式市場は休場となるほどです)

また春の訪れを祝うお祭りでもあり、生命力や多産を象徴する卵・ひよこ・うさぎのモチーフや、春の花をたくさん飾ります。

ゆで卵や、中身を抜いた卵に絵付けをした”イースターエッグ”を庭中に隠して子どもたちが探す”イースターエッグ・ハント”も人気です。(ちなみにイースターエッグを庭に隠すのは、その家の大人たちではなく”イースター・バニー”と呼ばれるウサギのしわざだということになっています)

 

我が家でも、ひな祭りとこどもの日の間の春らしいイベントとして楽しんでいて、毎年イースターエッグを飾っています。

本物の卵ではなく作り物の卵に絵付けをしたものや、ドイツのお土産に頂いた木製の卵などを、木の枝にぶら下げたり、かごに飾ったり……。今年は庭木の剪定をしていて手に入れたブラックベリーの蔓とカロライナジャスミンの蔓を、それぞれリース作りの要領で鳥の巣状に編み、中に卵を飾ってみました♪

隣に添えた鶏の置物(大きなヒョウタンで作られたもの。南米から連れて来ました)は、感謝祭に続き今回も登場!コージーな雰囲気を演出してくれています。

イースターのイメージカラーはイエロー。庭に咲いた黄色のフリージアを少し活けて、キャンドルはグリーンを選び、春らしく飾ってみました。

 

また、イースターの時期に食べるお菓子もあります。イースターを象徴する、卵・うさぎ・鳥・子羊などをかたどったケーキやチョコレートなどが定番ですが、伝統のお菓子も国や地域によって色々とあります。

例えば、どっしりしたフルーツケーキをマジパン(アーモンドの甘いペースト。粘土のように形作れる)で覆った”シムネルケーキ”。これはイギリスのケーキで、上にキリストの使徒に見立てて卵形にまるめたマジパンをのせるのですが、その数はなんと11個!

ものすごく半端な数に思えますが(素数だから?)、キリストの12人の弟子から裏切り者のユダを引いて、11個となるのだそう。見た目もかわいらしく、面白そうだなとも思うのですが、ただでさえどっしりしたケーキにマジパンとなると、ちょっとヘビーで気が引ける……というわけで、同じくイギリスのお菓子から、ホットクロスバンズを作りました。こちらは去年も作ったのですが、気に入ったので今年も作ることに。

 

本来は復活祭の直前の金曜日”聖金曜日(Good Friday)”の朝に食べるものだったそうですが、今では年中スーパーマーケットやベーカリーで買えるそうです。別に用意した生地で上に白い十字を描くのが特徴で、見た目には少し宗教色が感じられます。味としては、レーズンとオレンジピールが入った甘いパンで、スパイスが効いてるのがポイント。スパイス好きとしては癖になる味で、「なるほど、これは年中売り出すのもわかる!」と思いました。

ちなみに、ホットクロスバンズはマザーグースにも登場していて、私はマザーグースの本を読んでこのパンに出会いました。本に出てきたお料理やお菓子を再現するのはとても楽しいです♪

 

そういえば大学の頃、イタリア人の先生が「日本では一年の終わり、大晦日に大掃除をするでしょ?イタリアではイースターの日の前に大掃除をするの。」と教えて下さった事がありました。「イースターが春のはじまりだから、みんなその日を楽しみにして、家をきれいにして迎えるのよ」と語りながら、イタリアでのイースターを思い出してか、嬉しそうな顔をしておられました。

また最近のBSニュースでも、ドイツのニュース番組のキャスターがコロナの状況の見通しを伝える時などに、「復活祭の休暇までには……」と言うのを何度か耳にしました。明確な時期というより、”春になったら……”というニュアンスで言っているようなので、日本で言うなら”桜の咲くころに……”という感覚でしょうか。日本人が桜が咲くのを特別に思い、心待ちにするのと同じ感覚で考えると、イースターを大切にするヨーロッパの人々の気持ちがよくわかる気がします。

 

宗教的にも大切な行事であり、また長い冬を乗り越えた人々に春の訪れを告げる喜びの日でもあるイースターに思いを馳せながら、あつあつのホットクロスバンズを頂きました。

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コメント: 2
  • #1

    ボッコちゃん (火曜日, 06 7月 2021 17:28)

    ホットクロスバンズを食べる時は歌を歌いましょう。Hot Cross Buns!/Hot Cross Buns!/One a Penny/Two a Penny/Hot Cross Buns! If you have no daughters/Give them to your sons/One a penny/Two a Penny/ Hot Cross Buns!

  • #2

    nana (月曜日, 09 8月 2021 11:02)

    ボッコちゃん>>
    ありましたね、マザーグースにそんな歌が!手持ちの本には歌詞しか載ってないので、メロディはどこかで調べねばなりませんが、今度焼いたら歌ってみます♪
    マザーグースにはお菓子や料理もたまに出てくるので、作ってみたくなります。