麦わら細工(ヒンメリ)

春に採れた小麦をドライフラワーにして、ヒンメリという飾りを作りました。

ヒンメリは北欧の麦細工で、この幾何学な形は、切りそろえた麦の茎に糸を通して作ります。基本の形は同じ長さに切りそろえた12本の麦で作る八面体ですが、麦の長さを一部変えるだけでも全く違う形が生まれます。

 

 

ヒンメリはフィンランド生まれなのだとか。

冬が長い北欧の国々には、キャンドルや照明を上手に使って温もりや幸福感を演出するなど、冬を楽しむさまざまな工夫があります。

ヒンメリもそのひとつとして、麦わらを”太陽と豊穣の象徴”として愛で、美しい飾りにして食卓の上などに吊るすそうです。ヒンメリを吊るすと幸運が舞い込むとされていて、今では食卓のほか、ベビーベッドの上に吊るしたり、結婚式の装飾にしたりもするのだとか。日本にも北欧ブームにのって入ってきた、というところでしょうか。

 

古くは冬至のお祭りの時に飾るものだったそうで、古代の精霊信仰の名残が感じられて大変興味深いです。

そして、厳しく長い冬に耐えるヨーロッパの人々にとって、再び太陽の力が強まっていく節目の日である”冬至”がどれほど特別なものだったのか、ということも考えずにはいられません。きっと、人々は太陽や自然の神秘に対する期待と感謝を込めてヒンメリを作り、冬至を祝っていたのでしょう。

 

私が植えた麦はプランターに4つ分でしたが、意外とたくさんの麦わらが採れました。

まっすぐで綺麗なところを選び、まずは節目で切って葉を落とし、それから長さを揃えます。そして作るパーツごとになるべく太さをそろえるようにしながら糸を通しては結び、形にしていきます。

大きなパーツの中に小さなパーツを入れたり、立体の角に他のパーツをぶら下げたりすることも!

何段にも重なった、大きくて複雑な作品は見ごたえがあり、中空の麦の茎からこんなものが出来るのかと驚かされます。

 

出来上がったヒンメリは、窓辺に下げてみました。

籐や竹のかごなどと同じように、麦わらも年月が経つとすこしずつ艶が出てくるようなので、それも楽しみにしています。

 

ちなみに麦の穂の方は、ちまちまと手作業で脱穀してコーヒーミルで挽き、粗い全粒粉に。

そして、普通の強力粉に何割か混ぜて、全粒粉のパンを焼きました!

手間がかかりますが、一度やってみたかったことが出来て、満足満足。