年賀状づくり

年賀状づくりは毎年大変な作業です。今回もクリスマス頃になってバタバタと支度する破目になりましたが、無事に仕上がりました。

 

この干支ひと回り(12年)は、年賀状のモチーフを小説や昔話から採取するという縛りをかけていました。思えば、簡単にいくつもアイディアが浮かぶ年もあれば、ネタがなくて大変な年も。

 

さて、今年の干支は亥。日本ではイノシシですが、本場の中国ではブタを意味するのだそうです。ブタは金運をアップしてくれる縁起のいい動物なんだとか。

そういえば西遊記の猪八戒もブタの妖怪でしたっけ。近年の年賀状ではブタのイラストもちらほら見受けられますし、イノシシの出てくる童話や伝説はあまりない(ギリシャ神話などにありますが、マイナーすぎて誰にもわかってもらえなそう)なので、今年はブタにしました。

 

というわけで、トリを飾るは『3びきのこぶた』です。他の兄弟たちが作ったわらの家も木の家もオオカミに簡単に壊されてしまいましたが、最後に残った煉瓦の家はオオカミの侵入を許さなかったという場面です。せっかくならおしゃれな家を建てたいと思い、家のデザインに凝りました。階段を設けたり破風に飾りをつけたりするのは楽しかったし、調子に乗って、風見鶏ならぬ風見豚(?)や郵便ポスト(長く住むつもりなのでしょう)までつけてしまいました。ドアには蹄鉄(ヨーロッパで昔よく使われた魔除け)まで!

 

ブタたちの「ふふん、どんなもんだい!」な顔に対して、煉瓦に歯が立たずすっかりしょげているオオカミのなさけなさ。垂れた耳や尻尾からしょんぼりしているのが伝わるでしょうか。オオカミ好きの私としては、オオカミがかわいそうになってもきてしまうのですが、ここで精悍なオオカミを描いてしまうと今年の主役たちの身が危うく見えてしまうので、今回はかのオオカミもこんな姿です。「ごめん!いつかかっこよく描いてあげるから今回は許してね」と念じながら版を彫りました。

 

 

ついでにおせちの写真も載せておきます。うちのおせちは手作りと決まっていますが、今年は人数も少ないので少し手を抜かせてもらいました。

 

作ったのは、鏡餅(上に庭の柚子をのせて)、お雑煮(小松菜、鶏肉、三つ葉でシンプルに)、お汁粉、煮しめ、紅白なます(酢の代わりに庭のスダチで)、伊達巻(はんぺんを使って手軽に)、黒豆、栗きんとん、煮豚(五香粉を使った中華風)のみ。菊花蕪はちょうどいい小ぶりの蕪がなかったので作らず、他にもいくつか割愛。

これにかまぼこと昆布巻を買っただけなので、市販のおせちより品数は少なめかもしれませんが、この時とばかり出してきた重箱に詰めてみたら、ちゃんとお正月の顔をしてくれました。

欲を言えば、緑色のものを入れればもっと彩りが良かったでしょうか。絹さやがないのが敗因か…。せめて盛り付けに葉ランか南天でも使うべきだったかもしれません。

 

写真の伊万里のお皿、右上の酒器(?)は骨董市の戦利品です。伊万里のお皿はたしか大学生の頃に買ったと思います。大正か昭和初期くらいのものでしょうか。年代物の古伊万里のような貫禄と繊細さはありませんが、むしろ少しアールデコっぽい、モダンできっぱりとした雰囲気と色づかいがとても気に入っています。ご馳走の時にはもってこいの一品です。

酒器の方はどこの焼き物かもよくわからないのですが、形が面白く、かわいらしいけれど甘すぎず、端正なのにどこかひょうひょうとしているところが気に入っています。湯飲みとして使うこともありますし、少量の珍味などを入れても良さそうです。

赤い漆器の汁椀と煮物椀も骨董ですが、こちらは普段から使っています。漆器は使った方が艶が出て色も深くなり、手にもよくなじんでいくのがいいところ。これからもどんどん使っていきたいものです。今年の骨董市も楽しみ!

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コメント: 3
  • #1

    凹太 (日曜日, 06 1月 2019 02:00)

    素敵な年賀状ですね。もらったらうれしくなるでしょう。こちらでは郵便事情がよくないのでクリスマスカードも一般的ではありません。その代わりムンギュとハグし頬をつけて、と健康を祈るとお互いに言い合います。若い異性と数十秒もハグしていると強い違和感がありましたが、今ではただの習慣と思っています。慣れとは恐ろしいものです。
    それにしてもなんておいしそうなおせち料理でしょう。箸をネットを通じて伸ばしたくなります。今年は小豆は探しましたが見当たらず、代わりに輸入物の小豆の缶詰を見つけました。まだもったいないので開けていませんが、お汁粉と羊羹も挑戦しようと思っています。

  • #2

    ボッコちゃん (日曜日, 06 1月 2019 12:15)

    年賀状かわいいです。オオカミがお疲れの様子ですね。オオカミが悪者になっているお話は多いけどいいオオカミのお話はないのかしらと考えていたら昔のアニメを思い出しました。「狼少年ケン」 これはうそつきのケンではなく、狼に育てられたケンという少年がジャングルで大活躍するアニメでした。キャラクターが描かれたココアの缶があり喜んで飲んでいました。ちょっと昔の話と思っていたけど50年以上前だった(汗)。

    おせち頑張ったね。

  • #3

    nana (月曜日, 25 2月 2019 13:43)

    凹太さん>> 郵便事情が悪くて本当に残念です。私が送った葉書も行方不明のものがありますしね。あれはいったいどこへ消えたのでしょう。
    ハグにもずいぶん慣れましたね!ハグや頬を使うコミュニケーションはローカルルールがあるし、そもそも日本は握手さえめったにしないので、私はたまにそんな機会があってもうまくこなせたためしがありません。
    おせち、届けられたらいいのにと思いながら作りました。まあ、今度帰ってきたら色々とリクエストにお応えするとしましょう!

    ボッコちゃん>> 「いいオオカミも、いたっていいのに!」と私も思います。『3匹の子ぶた』、『七ひきの子ヤギ』、『赤ずきん』、はたまた『いやいやえん』でしげるを食べようともくろむオオカミ……うーん、いいオオカミって本当に思いつきません。
    50年も「ちょっと昔」と思ってしまうくらい、子供の頃の記憶というのは鮮明なものなのでしょう。私も子供の頃よく見ていたジブリのアニメなどはほとんど映像記憶のようになっている場面があったりします。