個展が終了いたしました

個展が無事に終了いたしました。今回の個展は4日という短い期間でしたが、思っていたよりも多くの方に来ていただくことが出来ました。心配だったお天気も、少し小雨が降った日があったくらいで、台風などもなくて良かったです。

 

会場は照明が暗めで、しかも逆光にならないように自然光を取り入れるのが難しく、少々苦戦しましたが、スポットライトやスタンドライト、行灯などを追加するなど工夫して、だんだんと見やすくなりました。

 

植物画は飾ってみてから気が付いたのですが、ミョウガ、チェリー、イチジク、カキ、クリ、ヤマモモなど食べられるものが多かったようです。作者の食い意地が表れている(?)というのもあるかもしれませんが、野菜や果物などを描いた絵は見ているだけで豊かな気持ちになるので、私は描くのも鑑賞するのも好きです。日本画の果物の小品シリーズも、眺めて豊かな気持ちになれるような絵を目指して描いたつもりです。

 

日本画というものに馴染みのない方もいらっしゃるので、今回は富士山や桜などのいかにも日本的でわかりやすい日本画も数点出品しました。(日医大近くにある日本料理のお店『花の家(はなのや)』さんにも同じ絵が飾ってありますので、もし機会がありましたらご覧ください)

月の絵は明恵上人の歌から浮かんだイメージを描いたもので、下にススキをあしらって展示してみました。文学であれ絵であれ、私は月が出てくるものが大好きで、もっと極めてみたいモチーフのひとつでもあります。今後もきっと月を描いた作品が登場するのでお楽しみに!

 

水面と花筏を描いた日本画『波紋』は、以前別の場所でも展示したのですが、壁も床も天井も真っ白いギャラリーで鑑賞するのと、自然光がメインの和室で鑑賞するのではまったく印象が異なるということがわかりました。両方の会場でご覧になった方々からは「本当に同じ絵?それとも描き足した?」などと訊かれるほど。どうやら、和室の方がしっとりとなじみ、水が透き通って見えたり、水が揺らいでいるように感じられるようです。

日本画ならすべて和室がいいというわけではないでしょうが、この絵は本当にぴったりでした。こういうことは実際に飾ってみないとわからないことで……いい勉強になります。

 

 

展示作品の中から何点か、お買い上げいただけることになった作品もありました。どの作品もひとつひとつ心を込め、時間もかけて描きあげていったものであるだけに思い入れも強く、少しさみしさも感じます。でもその絵をどなたかが気に入ってご自宅に飾りたいとまで思って下さるということが本当に嬉しく、別れを惜しみつつも、ワクワクとしながらお届けの準備をしています。その絵がお届け先のお宅でどなたかの目を楽しませたり、お部屋の素敵な装飾になっているところを想像しつつ…。

 

今回の個展も多くの方々にお越しいただき、さまざまなご意見やご感想を頂戴することが出来ました。ひとりで描いているだけではやはり視野が狭くなってしまうので、こういった機会に成果や成長を見ていただけるのはとても有難いことだと思っております。これを励みに今後も頑張って描いていきたいと思いますので、温かく見守っていただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

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コメント: 4
  • #1

    凹太 (土曜日, 27 10月 2018 10:00)

    ご苦労様でした。写真を見ると植物画のところが逆光で残念ですね。月の絵がいい感じです。あかあかや、、で描いた絵ですか。静けさと少し冷ややかな風を感じます。いちめんのなのはな、、やめるひるのつきを描いたらどんなになるでしょうか。絵から菜の花のかおりと蜂の羽音が聞こえてくるかも。言うのは簡単ですが、描くのは大変でしょうね。いつもいい加減なことばかりを言っています。

  • #2

    ボッコちゃん (土曜日, 27 10月 2018 23:45)

    個展お疲れさまでした。個展に行って率直な感想を言うことにためらいがあります。こっちは「シロウト」先方は「プロ」。(こんな事を言っていいのかしら。やっぱり失礼よね。でもちょっと変な方向に行き過ぎてない???)みたいな事。ブログにもありましたが独りよがりにならないために個展では初めて来てくださったかたの感想、長く来ていただいているかたの意見など真摯に耳を傾ける謙虚さが大切だと感じました。思った事を自由に言える雰囲気も大切かも。(偉そうでごめんなさい。親の意見となすびの花は千に一つの無駄もないとか言うのあったような…)。
    新蕎麦食べたいです。こちらは標高2600メートル。お湯は92度で沸騰するためお蕎麦はうまく茹でられません。お蕎麦と紅茶は熱湯でないとね。あら、個展には関係なかったわね。

  • #3

    さっちー (水曜日, 21 11月 2018 22:52)

    素敵な個展でした。さわだやさんの重厚な日本家屋に とてもmatchしていて、床の間の飾り方とか、センス良く置かれたお祝いの生花アレンジにも、目が釘付けでした。我が家に来てくれた、[千両] 縁起が良さそう�
    福が舞い降りて来るような予感がします。大切にしますね。ありがとうございました。�

  • #4

    nana (水曜日, 02 1月 2019 08:34)

    凹太さん> 「あかあかや…」の絵は、静けさだけでなく、月夜でないと感じいにくいような自然の有機的な気配も描いたつもりです。写真だとわかりづらいかもしれませんが、暗く見える木々の影にも赤系の色などが潜んでいます。
    「いちめんのなのはな」も、水彩で下図の構想を練ってはあります。描こうと思えば描けそうです。ちなみに私も「やめるはひるのつき」の下りが一番好きです。長閑な花畑の光景が一瞬別の一面を見せるようで、その翳りに惹かれます。

    ボッコちゃん> おお、確かにひとつの無駄もありませんねぇ(笑) 自分が描きたいものが他人も好きとは限らないのが難しいところですね。でもこれは「表現」なので、迎合しすぎも良くないし、表現を曲げない部分も必要だと感じます。ただ、あまりにひどい方向性に進んでいるのに誰にも止められない悲劇というのがあるのは良く知っていますし、そこは見誤らぬように心に留めたいと思います。
    綺麗なものばかりを表現すると嘘になる時もあるので、時にはマイナスなものも描きますし、今後どんな方向に行くのかは自分にだってわかりません。ですが、観て下さる方の率直な意見はこれからも大事にしたいですし、「今日は良いものを見たな」という気持ちになってもらえるのが一番嬉しいのは、きっとこれからも変わらないだろうと思っています。美しいものを生み出して、自分もそれを見たいという気持ちも。
    あ、蕎麦は今度帰ってきたらまた打ちましょう。

    さっちーさん> お越しいただきありがとうございました!さっちーさんからも素敵なお花ありがとうございました。今回はいくつもアレンジメントをいただき、会場がとても華やかでした。個展の後もドライフラワーにしたりして楽しんでいます。
    千両の絵は葉の艶を出すのに苦心した作品でしたが、赤と黄色の実がにぎやかな作品になりました。縁起物でもありますので、ぜひお正月には良く見えるところに飾って愛でて頂けたらと存じます。有難うございました!