柏餅

こどもの日はとっくに過ぎてしまいましたが、先日、ようやく柏餅を作りました!その頃は忙しかったので、作らずに市販のものを食べましたが、四月のうちから柏の葉の塩漬けは買ってあったのです。

 

桜餅(道明寺)は毎年作っていますし、好物なので、年によっては数回作ってしまうほどですが、柏餅は作らない年もあります。今回はおそらく数年ぶりでした。

なので、ちょっと張り切って、電子レンジを使った簡単な作り方でなく、蒸籠(せいろ)を使って蒸す本格派で作ってみることにしました。

上新粉と砂糖と水を練ったものを、ちぎって蒸籠に並べて蒸し、すり鉢でついて片栗粉を加え、餡を包んで柏の葉でくるみ、もう一度蒸し上げる・・・・・・あまり知られていませんが、案外手間のかかったお菓子です。


作っている時にはあまり柏の葉の香りはしませんが、出来上がった柏餅を置いておくと、いつの間にか葉の香りがお餅に移っていきます。

 

市販のものほど生地に砂糖をいれませんし、添加物も入っていないため、固くなるのは早いですが、シンプルな米粉の味のする生地と餡の組み合わせ、そして柏の葉の深くて清々しい香りは、素朴で無造作で、いっそ潔ささえ感じられます。

柏の木は秋になっても葉を落とさず、茶色く枯れた葉は新芽が出てくるまで木に残ります。これが「代を絶やさない」ように見え、武家などで縁起がいいとされたのが柏餅のルーツだそうですが、もしかしたら外見や香り、味まで潔かったことも好まれた理由のひとつなのでは?などと考えてしまいます。兜の前に飾るには、やはり桜餅のような可愛らしくて甘やかなお菓子より、色合いも香りもこざっぱりして凛々しい柏餅の方がふさわしい気がするのです。

 

写真に写すのを忘れましたが、抹茶も点てて、いただきました。めったに作らないので、あれこれと作り方を工夫することもないぶっつけ本番というわりには、出来はまずまず。来年のために今回のことを覚えておければいいのですが、柏餅ばかりはこれからも「前はどうだったっけ?」と悩みながら作ることになりそうです。

 

実は、北海道で柏のどんぐりを拾ってきて、いまは鉢植えで育てています。本葉はまだ10枚もありませんが、もっと大きくなったら、柏の葉も庭で調達できるようになるかもしれません。楽しみです!


コメントをお書きください

コメント: 3
  • #1

    ボッコちゃん (日曜日, 25 6月 2017 23:52)

    お店で買う柏餅は葉で包んだ後蒸してない物が多くなりました。せいろの中の柏餅の写真は好きです。こうでなくちゃと思いました。柏餅はみそ餡もありますが私はこしあん派です。美しい練りきりも良いけど無骨な柏餅も大好きです。日本には季節ごとに行事がありそれに伴なう和菓子や料理があるのは生活に潤いが出て良いなと思います。こちらにもクリスマスに食べるお菓子やイースターの時にお魚の形のパンが出たりしますが(お肉を食べてはいけないとされる日があるので)日本ほどではありません。けっこう単調な食生活で少し寂しいです。

  • #2

    凹太 (月曜日, 03 7月 2017 08:35)

    柏は本当に春になっても前年の茶色くなった葉が付いています。生物学的にどういうメリットがあるか良く解りませんがもしかしたら新芽を守っているのかもしれません。どこから芽が出るかよく観察してください。そうです、青森県や北海道に柏は自生しています。線路わきなど日当たりのよい所に実生が沢山あります。季節に季節の行事がありそれに合わせた食べ物があるのはありがたいことかもしれません。今年は久しぶりに柏餅を食べられてうれしかったです。

  • #3

    Nana (月曜日, 28 8月 2017 01:07)

    ボッコちゃん>>ヨーロッパではこの聖人の日にこの料理を食べる、なんていうのがまだ残っていて面白いですよね。魚の形のチョコレートも、一度現地で買ってみたいです。 日本ではただのチョコレートの日になってしまったバレンタインより、本を贈る日(サン・ジョルディの日だったかしら)なんて、もっと素敵なのにと思います。

    凹太さん>> このあたりでは、おまんじゅうをサルトリイバラの葉にのせて蒸す郷土料理があります。私も最近知ったのですが、いま広めようとしているところだとか。葉っぱははずして食べますし、特に香りがついたりもしないようですが。朴の葉も料理に使われますよね。