ハワイ ~ホノルル~

身内の結婚式があり、ハワイに行ってまいりました。ハワイへは飛行機で7時間。帰りは向かい風なので8時間半かかります。

 

ハワイの気温は今の日本より少し高いくらいでしょうか。日差しも日本より強烈でしたが、風が吹き抜け、湿度も低いため、日本よりよほどしのぎやすい気候です。ただ建物の中はクーラーが効きすぎて、足元から冷えていくよう。この旅行用にとハーフパンツを買ったのに、結局その出番はなく、ロールアップのジーンズとサンダルでずっと過ごしてしまいました。

 

実はハワイへは幼いころ一度家族で訪れたことがあるのですが、数えてみると24年ぶりのこと。当時の記憶は、海が信じられないくらい鮮やかだったこと、星が降るようだったこと、火山のスケールに圧倒されたこと、動物園でクジャクが放し飼いだったこと、そしてあとは食べ物ぐらい。


その頃も日本語が通じる場面があってびっくりしたような気がしますが、今回行ってみて、あまりに日本語がそこここに使われているのに驚かされました。日系人や観光業の人などは上手に日本語を話しますし、看板やバスの電光表示板まで日本語が併記されています。英語で話しかけたのに「なに?」と聞かれたり、空港の職員に質問した時も「心配せんでええです」なんて変化球が返ってきて面食らったり。

日本人観光客がとても多く、街でも日本人とよくすれ違います。まさかここまでとは思わず、なんだか英語圏の国にいるような気になれません。ハワイはアメリカだけれど、本土とは全く異なった土地柄なのだということが肌で感じられます。

 

今回はホノルルの後、カウアイ島へ行くという予定で、ホノルルには長くいませんでした。そんな中、ホノルルで印象的だったのはホノルル美術館!

旅先で美術館や博物館に行くのが好きで、機会があればなるべく行くようにしているのですが正直なところ、ここはそんなに期待していませんでした。しかし、富豪の女性が「ハワイの子供たちにももっと世界中の美術品を見せてあげたい」という、素晴らしい心意気で集めたというコレクションは古代から現代、西洋はもちろん東洋や中東まで、幅広く網羅し、内容も充実していました。

 

訪れた時、たまたま日本人のガイドさんがいて、私達を案内してくれたのですが、美術好きで、美術史をよく勉強している方だったので、解説も興味深く聞く事が出来ました。

やはり解説が無いとわからない絵もあるものです。たとえばマティスの絵が一枚あったのですが、「マティス?なんだか色彩も暗くてマティスらしくない絵だな」と思って眺めていると、

ガイドさんが「この絵はマティスのイメージと違うと思われるでしょう。けれどこれには事情があって、実はこの頃、マティスの妻と娘はレジスタンス運動に関わって逮捕されてしまっていたのです」と教えてくれました。そういう作品の背景を知ることでぐっと見る目が深くなる瞬間は痛快です。


それにしても、海外の美術館に来るといつも思いますが、日本の美術館と違って、なんと空いていること!日本では絵から離れようとすると、たいてい絵と自分との間に誰かが入ってしまいますが、そういうこともなく、絵から離れたり、また絵のすぐ近くまで近づいて見つめることができるなんて最高です。カフェでの軽食もはさみ、3時間くらいかけて美術館をめぐり、じっくりと鑑賞して、大満足しました。

 

満ち足りた気持ちになるとともに、忙しさを言い訳に美術館から遠のいていたせいで、こんなにも心が乾いていたのだと気がつかされて愕然。

こんな乾いた心でいい絵が描けるはずない、とまでは言いませんが、心が豊かな方がより気持ちのこもった絵が描けることは確かだと思います。

この旅ではいろんなことを忘れて、もっと鮮やかなものに触れ、ゆったりした島の時間を取り入れて帰ろうと決めました。

コメントをお書きください

コメント: 1
  • #1

    ボッコちゃん (水曜日, 12 8月 2015 08:27)

    はい、私もハワイに参りました。ホノルルから少し離れた式場の海は真っ青で、高熱を出して体調不良の新郎の顔色と同じでした。