ツタの水栽培

数年前、ちょっと珍しい葉の色をしたツタの苗を買いました。普通の斑入りとは違って、一部の葉だけが全体的に白くなるのです。見たとき、「へー、変わってるな」とは思ったものの、買うつもりはなかったのですが、『白雪姫』と書かれたラベルを見て気が変わり、がぜん気に入って買い求めたのでした。名の付け方ひとつで、こうも人の心理は動くものなのですね。

 

はじめは普通の鉢に入れ、今は釣り鉢に移して、出窓に吊り下げています。先月伸びすぎた茎を切ったのですが、そのまま捨ててしまうのがもったいなくて、何本か残したものを瓶に活けて飾っていました。せめて、しおれるまで楽しもうと思ったのです。

しかし、そのまま置いていたら、なんと根が出てきました!ツタも水栽培ができるとは……!

 

ちなみに、入れていたのは『いいちこ』の空き瓶です。この瓶はデザインが素晴らしいのですが、宣伝にも力を入れていて、美しいポスターでも有名です。ブーゲンビリアの花の中に立っていたり、またある時には砂の上に寝転んでいたり。まるで瓶が旅をしているかのような、自由でノスタルジックな写真が印象的です。その写真に添えられている、さらっとしつつも、ちょっと気の利いたキャッチコピーがまた心にくい。

 

「今、ツタが入ったこの瓶であのポスターを作るとしたら、なんというキャッチコピーにするかな?」とふと思い、たわむれに考えてみました。

 

   時には 脇役に甘んじてみる

 

この主役は明らかに瓶ではなくてツタの方にあります。だから「脇役」と。

そして、「甘んじる」だと不本意そうな気配があるので、「甘んじてみる」に。

これなら、本当は主役を張れるけど敢えて脇役になっているのだという余裕、そしてその役を楽しんでいる感じがあるかなと。

 

うーん、どうでしょう。キャッチコピーを考えるのは初めてなので良し悪しはよくわかりませんが、主張しすぎず、でも魅力的に宣伝するというさじ加減の難しさはよくわかりました。一言で勝負する大変さも。でもだからこそ、コピーライターって面白い仕事なのでしょうね。

……と、何かわかった気になった、ある日の午後。

 

 

 

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コメント: 3
  • #1

    凹太 (日曜日, 09 11月 2014 04:06)

    面白い斑の入り方ですね。遺伝子はどうなっているのかと考えてしまいます。多くの植物は水栽培できます。普通のツタなら発根はよく、水だけで結構育ち、管理は簡単です。
    そういえば、広告のキャッチコピーで延々と議論したことがあります。懐かしい?思い出です。

  • #2

    nana (日曜日, 09 11月 2014 13:07)

    たまたま見た事が無いだけで、水栽培できる植物はたくさんあるのですね。勉強になりました。
    最近気になっているのは、コウモリ蘭。ヘラジカの角のような葉が面白いので育ててみたいのですが、生育がかなり遅いらしいし、そもそも園芸店でも見かけません。気長に探すつもりです。壁に鹿の角を掛けるかわりに、コウモリ蘭が飾ってあったら、さぞ面白かろうと思うもので。

  • #3

    ボッコちゃん (月曜日, 08 12月 2014 21:56)

    「そうだ京都、行こう」とながれるCMをみて、行きたいなぁ~と思うある日の午後。