アトリエ百花 ~年賀状イラスト~

小さな絵画教室『アトリエ百花』も、はや一年。「基礎をしっかり教えてほしい!」というご意見が多かったので、鉛筆や水彩絵の具の使い方に始まり、質感の表し方、光や影の描き方など少しずつ難しいことも学んできました。

『描き方』としてマニュアルのように描くのはつまらないし、応用もききません。でも、『知っていれば絵に生かせる知識』というものもあります。そのバランスをとりながら、なにより、ものの見方、観察する力を伸ばすように心がけつつ、ここまでやってまいりました。

試行錯誤での教室でしたが、生徒のみなさんは、本当に熱心に、よくついてきてくださいます。ご本人たちは謙遜なさるけれど、ものを見る目が変わってきたために、絵の方もこの一年で、ぐっと上達してきていて、私もとても嬉しくなります。

誰かになにかをお教えするというのは、やはり大変なことですが、始めてみると想像以上に楽しく、刺激的でもあります。これからも、気も手も抜かずにしっかりと務めようと思っています。


だいたいアトリエの様子はこんなふうです。

アトリエが始まるころになると、たいていどなたかが、「先週の続きを家で描いてきまして」「昔描いたものですが」「家にあった花を描いたので」と、絵を取り出します。それを囲んで、「わあ、きれいな色!」「おいしそうに描けてる」などと言い合って盛り上がります。それからうまくいかなかったところなどをお聞きして、私がちょっとアドバイスしたりします。


そのあとは課題の方へ。課題は『静物』なら、果物やきれいなビン(ボンベイサファイアなど)、貝殻、下に敷く布などを用意することもありますし、『自由課題』として好きなものを描いてもらうこともあります。

私は課題ごとに先に自分で描いてみた参考作品を用意し、毎回ではありませんが、課題にあったプリントを作っていくこともあります。自分で描いてみないとわからないことも多いし、教わる方にもわかりやすいかと思ってそうしていますが、嬉しいことに参考作品もプリントも好評で、こちらとしても作り甲斐があります。


前回は『秋の風景』をテーマに公園内の風景を描きました。コスモスや、ピンク色の花が咲いた韃靼そば、わずかに紅葉しはじめた木々など、各々が好きな場所を見つけて絵にしていました。「何を絵にするか」と選ぶところから、もう表現は始まっているのだな、といつも思います。春に描いた風景と比べるのもまた楽しい。


そして今回は「年賀状に描けるようなイラストをぜひ!」というリクエストにお応えしました。

来年の干支は、乙羊(きのとひつじ)。羊のイラストを何種類かと、鏡餅などお正月らしいモチーフをいくつか用意し、好きなものを選んで3種ほど描いてもらいました。

最初からハガキに描くと失敗できないので、まずはスケッチブックにハガキサイズの枠を作って、その中に描くことにしたのですが、それでも緊張している様子。つい息を詰めてしまい、筆をおいてから「肩が凝った~」と言いつつ、なんだか楽しそうに取り組んでいらっしゃいます。

餅花(まゆ玉)は紅白が一般的かと思っていたら、ご実家では黄や緑に染めた餅も使っていたとか、餅はまゆの形にしていたというお話も出てきて、非常に興味深かったです。全国の正月飾りを調べてみたくなります。(たまに本業そっちのけで、そういうことがしたくなっていけません。)


同じ見本をもとにしているのに、皆さんの描く羊はいろいろで、それも面白いものでした。つい小さくなってしまったり、のほほんとした顔つきだったり。お互いに見せ合って笑ったりしています。「これ、本人が出るんですね、きっと」というコメントにもちょっと納得。それぞれ味のあるイラストが描けていました。来年送って下さるだろう年賀状が楽しみです。


私はそんなイラストの見本をたくさん作っておきながら難ですが、おそらく来年もゴム板を彫った版画の年賀状になると思います。この12年(干支ひとまわり)は、童話や文学をモチーフにしており、寅年には『ちびくろさんぼ』のトラがバターになるシーン、卯年には『不思議の国のアリス』の時計を持ったウサギ、辰年には『エルマーとりゅう』の竜などを使ってきました。

さて来年の未年は何にしましょうか?

羊でなくてヤギでもいいようですし、絵本なら『3びきのやぎのがらがらどん』、それとも『まりーちゃんのくりすます』?いっそ童謡の『やぎさんゆうびん』?

いえいえ、実はもう決めてあります!でもまだ秘密。

完成したら、来年の1月1日のブログには載せますので、お楽しみに。

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コメント: 8
  • #1

    印西市在住の読者より (月曜日, 27 10月 2014 23:03)

    小林様

    私のパソコンだけかも知れませんが紫色の壁紙になってから
    文字がはっきり見えなくなりました^^;

    それと・・・できましたら
    もう少し大きいめの文字サイズにしていただくと中高年には
    ありがたいです

    勝手言いまして申し訳ありませんがよろしくご検討ください

  • #2

    nana (火曜日, 28 10月 2014 20:36)

    コメント有難うございます!

    ご指摘の件ですが。
    紫だと、目がちかちかしてしまうのかもしれませんね。文字は変わっていないのですが…。すぐに、他の色にしてみます。

    文字のサイズも、もう少し見やすくできるところは改良いたしますね!
    でも、このホームページのシステムでは変えられない部分もありまして…。

    また、お使いのパソコンの『ツール』や『機能』などというところに、画面を拡大表示する機能があるはずなので、よろしければそちらも御活用なさってはいかがでしょうか。
    私はいつも125%くらいにしていますが、なかなか便利です。

  • #3

    Y・N (火曜日, 28 10月 2014 23:07)

    こんばんは!

    壁紙の小さな点々と文字が混じってしまう現象だったのでしょうか・・・
    オレンジ色にしていただいたら、はっきり見えます!
    お手数かけてすみません
    ありがとうございました!!!

    昨年、花の丘公園の展示場で長話をさせていただいた
    身体の大きなおばちゃんNです^^

  • #4

    nana (木曜日, 30 10月 2014 11:44)

    Y・Nさん、こんにちは!
    文章の感じや顔文字で、すぐわかりました。ブログもマメにチェックしてくださって、ありがとうございます!

    画面が見やすくなったようで良かったです。また何か不具合がありましたら、ご遠慮なくご指摘くださいね。

  • #5

    凹太 (金曜日, 31 10月 2014 07:39)

    年賀状、素敵ですね!もらったら感動しそうです。
    アトリエの様子がよく解りました。課題ごとに自分で参考作品を用意し、課題にあったプリントも作っているようで、とても素晴らしいと思います。先生の熱意が教えていただく人に伝わり、楽しい教室になっていることでしょう。

  • #6

    Y・N (金曜日, 31 10月 2014 09:28)


    すぐにばれてましたか  ∑(=゚ω゚=;) マジ!?

    次回から登場するときはY・Nにしますね

    返信不要です ☆☆** v(o^▽^o)v**☆☆

  • #7

    ボッコちゃん (金曜日, 31 10月 2014 21:20)

    御年賀状は海を越えてやって来るのでしょうか?消費税が上がっても海外郵便は料金が変わりませんでしたね。80円で届きます。でも速い時は10日で届くのに遅い時は1か月以上の放浪の旅の末やっとたどり着きます。届くだけ良しとしましょうか。日本からの葉書が届くと私が喜んで、やったぁ~!(ここだけ日本語)と叫ぶのでアパートの受付のおじさんもにこにこして渡してくれます。普段はガス、水道、電気などの請求書しか来ないので・・・(涙)。

  • #8

    nana (日曜日, 09 11月 2014 13:21)

    凹太さん>>
    私はもともと何かを人に教えるのが好きな性質ですが、生徒のみなさんがとても熱心なので、こちらも更に力が入ってしまう、というのが正しいかもしれません。 こちらで組んだカリキュラムだけでなく、リクエストもどんどん取り入れて、楽しくやっていきたいなと思っています。

    Y・Nさん>>
    私に顔文字を送ってくる方は珍しいものですから^^
    気にとまる記事があったら、またどうぞお気軽にコメントしてくださいね。お待ちしております!

    ボッコちゃん>>
    あらあら、そんなに待っていてくれるのでしたら、もっとマメにお便りしなければ!でも、なぜ時によって届くまでの日にちがそんなにまちまちなんでしょうね?鳩居堂の版画の絵はがき、ハロウィーンの柄のものも、今頃着いてしまったようで…。
    きれいな80円切手があるとそれを貼ってしまうことがありますが、本当は70円で着きます。日本国内に封筒を一通出すのと同じ値段で、地球の裏側にハガキを送れるというのは不思議でなりませんが。