骨董市の掘り出し物

私の毎月一度の楽しみ、骨董市に行ってきました。残念ながら天気予報が悪かったせいか、私がよく利用するお店が何軒か来ていなかったりして、今回の収穫はひとつだけ。写真左の藤の花瓶です。

薩摩焼で、釉薬に細かなひび割れが走った年代物ですが、藤の絵付けが優美で上品なのが一目で気に入りました。が、思ったよりずっと値段が安くてびっくりしました。「この絵付けの完成度でなぜ?」と思って店主に訊ねると、単に店主本人の趣味には地味すぎて気に入ってないから、というだけでした。(気分屋な店主もいたものです!)

 

それから写真右はその前の骨董市で入手した、やはり藤の絵付けのお茶碗。雨の日だったので、出店している業者も客も少なく、骨董屋さんが大幅に値引きしてくれたのでした。

藤は好きな花の一つですが、別に藤の柄のものを探していたわけではありませんし、購入したお店もバラバラ。偶然にも藤の絵付けの素敵な陶器の掘り出し物が続いたのは、何かの縁でしょうか。 藤の日本画の注文を受けて、描いている頃だったので、自然と藤が目に付いたのもあるのかもしれませんが。

 

完成した藤の絵も載せておきました。背景の青は白群(びゃくぐん。ラピスラズリから作られる群青色の、一番粒が細かくて白っぽい絵具)を使っています。

この青はこの青で綺麗なのですが、初夏を過ぎて梅雨になって描いていたせいか、さわやかというよりはどこか湿度の高い感じになってしまったような気もします。梅雨気分になっているらしい私の心に釣られてしまったのでしょうか。

実はためしにもう一枚、ほぼ同じ構図で描きかけの藤の絵があるのですが、そちらはさわやかな薄緑色の背景にしてみています。同じ下図とは思えないほど、全く別の絵に見えて面白いです。

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コメント: 3
  • #1

    凹太 (月曜日, 14 7月 2014 11:05)

    藤の絵の背景は澄んだ青ですね。今までと違うようです。これはこれで明るくいい感じです。フジが咲くころこんな晴天がありますよね。フジの花は微妙な色合いで、さわやかな甘い香りがあり好きな花です。絵から風に乗り香りが漂ってきそうです。今頃は緑色のさやができていることでしょう。子供のころ秋にこげ茶色になったなったさやがきれいで宝物として机の中にしまっていました。数日たって引出しを開けてびっくり、さやはねじれて二つに分かれ、やせた光沢のある種が落ちていました。もちろんその種は捲きました。絵をみてふと思い出しました。

  • #2

    ボッコちゃん (火曜日, 15 7月 2014 04:53)

    絵を拡大したら落款が見えました。自分で彫ったのでしょうか?藤の花瓶やお茶碗を見て、今まで当たり前だと思って意識しなかった季節と共にある暮らしは良いなと思いました。暑い夏にガラスの食器を使って涼しげにしたり、季節にふさわしい絵柄のお道具を用意したり。こちらはキリスト教の行事は多いですが、一年中同じ気候なので(熱帯でも高地なので暑すぎず寒すぎず涼しいだけです)生活は単調です。

  • #3

    nana (日曜日, 20 7月 2014 11:21)

    凹太さん:
    背景の青には、岩絵具の「白群」を使いました。ガラスの粉に着色したものではなくて、天然の群青と同じ成分に作った岩を砕いたものなので、色も本格的です。(値段も本格的…;)色が綺麗です。 どんぐりや種など、よく引き出しに入れて何かが起きたという類の、子供の頃の失敗談って聞きますよね。私もどんぐりには痛い目を見ました。
    ボッコちゃん:
    前回は彫ったもの、今回の落款は買ったものです。また彫りたいですが。
    私はきっちり3か月ずつに分割されていない地域でもいいから、とにかく季節感がないと暮らしていけなさそうです。今も家のあちこちに、ガラスや貝などを使った、涼しげなディスプレイをしています。