アトリエ百花 第3回 トマト缶のつづき

先日のアトリエ百花は、トマト缶の続き。前回にデッサンまでしてあるので、着彩からです。

でもその前に、「この色はどうやって作ればいいの?」「自然な色にしたいんだけど…?」などという、よく訊かれる疑問にお答えすべく、まずは水彩絵具について勉強。

透明水彩の特徴をおさらいし、自然な色を作るための混色のコツを紹介しました。

 

一口に「緑」「茶色」「灰色」などと言っても、その作り方はたくさんあります。絵の具のチューブをそのまま絞り出しただけでは、どうしても人工的な色合いになってしまうので、思う通りの色を自分で作る工夫が必要になってきます。

たとえば茶色は「オレンジに黒」の他、「赤と緑」を混ぜてもいいし、「紫と緑」でもいい色が出ます。また絵具の茶色に、ほかの色を混ぜてニュアンスのある茶色を作ることもできます。

 

色の作り方は、なかなか技法書では解説しきれない部分であるだけに、みなさんには新鮮だったようです。 

混色が思い通りにできるようになり、色づかいにも幅がでてくると、いかにも「絵」だとわかるような絵ではなく、自然で、説得力のある絵になってくるはずです。

また、自分の色彩感覚で描けると、絵にももっと個性がでてくるので、それを楽しみに今は色々と試してみてほしいと思っています。

 

それからトマト缶の着彩へ。

みなさん、円柱の回り込みやラベルのロゴなどには苦労をしているようでした。形に添って、ラベルの文字が変形するので難しいし、書くのも面倒ですが、逆に言えばそれを書いておけばもう、円柱の形をした缶詰にしか見えてこなくなります!

また、ふたの部分の硬くて冷たい金属の感じを出すのも苦戦の様子。見た目の色だけを追うのでなく、ときどきデッサンを描き起こすように形を明確にして、ハイライトも入れると、ぐっと形が締まって、金属の質感も出てきます。

 

缶の重さや暗さを表わそうとしているうちに、ラベルの色が濁って、印刷されたトマトの絵まで暗くなってしまったりもしましたが、ぱっと明るいオレンジや赤を少し入れてやることで、また美味しそうなトマトに戻りました。めでたしめでたし!

 

今回は色の勉強をしっかりとしたので、トマト缶の着彩までで終わってしまいましたが、

つぎはオリーブオイルの瓶を描き始めます。今度はガラスの質感と、中に液体が入っている状況の表現です。さーて、どうなるでしょうか。

 

ところで、レモン、ネクタリン、トマト缶、オリーブオイル、と食材つづきですが、それは私が食い意地を張っているからではありません。たまたまです…。

オリーブオイルまで終わったら、次は何にしようか、今から頭を悩ませています。

 

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コメント: 2
  • #1

    凹太 (日曜日, 13 10月 2013 01:15)

    アトリエは順調のようですね。読んでいるとそうなのかと思いますが、見て、実際にやらないことにはわからないでしょう。子供のころこういう絵の描
    きかたを知っていたら、もっと楽しかったのではないかと思います。ゆっくりとでもがんばってください。

  • #2

    nana (木曜日, 17 10月 2013 15:33)

    凹太さん:あまり頭でっかちになってもつまらないし、とくに子供には好きなように描いていてほしい気もします。でも、実感のある絵を描きたいと思ったときには、どうしてもデッサンや技法を知る必要がでてきますよね。多分、そのうえで自分らしい表現を探っていくものだと思うので、「絵の描き方」を教える時も、表現のプラスになるように意識しているつもりです。
    といっても、教室は生真面目な雰囲気ではなく、和気あいあいといった感じ。みなさんにも楽しんで頂けているようですし、私も実のところかなり楽しんでいます。
    いつか、子供向けの教室もできたらいいなーとひそかに思っています。