昨日は、アトリエ百花の始まりの日でした。私の準備は十分なのか、これからどんなアトリエになるのか、ドキドキしながら会場へ向かいます。
事前に少し伺ったところ、生徒は「最近絵を始めた」「かじったことがある」「結構長く描いている」という方たちで、まったくの初心者ではないようですが、描いているとなにもかも自分流になってしまい、デッサン力に不安があるとのことでした。
基礎を固めて、もっと自信を持って絵を描けるようにしたいというご希望でしたので、第1回目は基礎の基礎から始めることにしました。
というわけで、使う画材の説明や、鉛筆の削り方・使い方からスタート。
それからモチーフの、レモンとネクタリンを配りました。今回目指すのは、『球体を画面上に表現すること』です。果物がゴロンと置いてあるという状況を表すために、どういう観察が必要なのか、白い紙に鉛筆で表わすにはどうしたらいいのかを、描きながら模索してもらいます。
理論に傾きすぎると、それに頼ってしまいがちになるので、観察を交えながら進めていきます。しかし、ネクタリンの色に惑わされて、それを鉛筆で追いかけているうちに立体感を失ったり、同じ鉛筆で全体を描いたためにどこも似てしまったり…。それでも、試行錯誤しながら少しずつコツをつかみ始め、鉛筆デッサンが終わるころには、みなさんの画面の果物はずいぶん立体的になっていました。
いよいよ着彩へ。今度は色づくりに悩んでいる様子。「こんな色だと自然に…」などと提案したり、筆の動きのポイントを説明したりしながら机を回っているうちに、時間が過ぎていきます。だいぶ果物が置いてある状況がわかる絵になってきて、7~8割描き上げたくらいでしょうか。集中しているので誰も気が付かないのですが、終わりの時間が近づいていました。
みなさん、まだ描きたそうでしたが、私にはこの後、印西文化ホールの展示の搬出が控えていたので、ここまでとなりました。(次回からは居残りもできるのですが)
モチーフはお持ち帰りいただいたのですが、続きを描く気満々の方も。みなさん、やる気のある方ばかりで、こちらも気合が入ります。
次回(9月17日)は、今回の内容を振り返ってから、次の課題に入ります。今回は「自然物」で「丸いもの」を勉強しましたので、次は「人工物(既製品)」。形がきっちり決まったもののデッサンを学びます。モチーフを何にするかは、大体決まっていますが、まだお楽しみということで秘密にしておきましょう。ふふふ。
教室が終わって、カフェで一息つきたいような気分ですが、文化ホールは5時で閉まってしまうので、それまでに搬出しなければなりません。すぐ向かいます。
搬入は得てして時間がかかるものですが、搬出はずっと早いものですね。料理を作るのに時間がかかるけど、食べるのはあっという間なのに似ています。
展示ケースの前にある台に感想を書けるノートを置いていたのですが、その台は存在感がなく、私もつい先日その存在に気付いたほど目立ちません…。だから正直なところ、感想が書いてあることは期待しないでいたのですが、書いてくれている人がいて嬉しかったです。
コメントの数が少なくても、心温まる言葉を頂くと、励まされるものですね。コメントをくださった方(12歳の女の子もいました!)、本当にありがとう!
”これからも、展示・教室ともども頑張ろう”と心に決めながら、温かい気持ちで帰途につきました。
コメントをお書きください
ボッコちゃん (火曜日, 10 9月 2013 11:01)
絵画教室で思い出しましたが、私は子供の頃、絵画教室に通っていました。公立高校の美術の先生が、土日に美術室でクラブ活動の高校生と一緒に近所の子供に絵を教えていました。もちろん生徒はお月謝をお支払いしてました。高校生のお兄さんやお姉さんが石膏デッサンしながら食パンの白いところを丸めて消しゴムに使い、パンの耳は食べているのが面白かったです。でも公立高校の先生が学校でアルバイト?!問題にならないのどかな時代だったと申せましょう。50年以上前の話。
凹太 (水曜日, 11 9月 2013 08:50)
教えるということは逆に教えてもらうことかもしれません。絵を描いてよかったと思ってくれるといいですね。ぼちぼちとがんばってください。応援しています。
NANA (金曜日, 13 9月 2013 16:36)
ボッコちゃん:今なら免職ものの話かも?おおらかな時代ですね。でも子供にとっては上手い人の絵が見られるいい機会ですけれど。
凹太さん:
教えるために自分も勉強しなおすので、デッサンのおさらいができます。一度描いてみると、「あ、ここがポイントだった」と思い出しますし。今日もこれからモチーフを買いに行き、参考作品を描くつもりです。
まあ、ぼちぼちとがんばります(笑)