おとといの続きです。
まだ色が浅いながらも、だいぶ雰囲気がでてきた様子。暗がりにももっと深みが欲しい。色が暗いだけでなく、ね。
でもいつまでもそこにこだわって、肝心の桜が枯れ木のようではまずい。そろそろ花も描きましょうか、と少し手を入れました。
といっても、一番綺麗な、手前に向かって咲いている部分は後回し。
まずは木としての固まり感が欲しいので、画面の奥に向かっている実際にはよく見えない部分から描いて、重ねていってみようかと。これで奥行と重なりがうまく表わせるといいけど、やってみたことがない描き方だから、さてどうでるか。
吉と出るか凶と出るか。
なーんていう、ちょっと博打のような賭けも時には必要です。
凶と出る、つまり下手をすれば、どんな丁寧な仕事もただの「無駄足」。かけた時間と苦労は泡と消え、不必要な仕事の跡が絵の中で目障りに…。
でも、無駄かと思われた仕事が、仕上がってみると「味」になったり、「深み」になってくれたりするのが日本画のいいところ!(もちろん、あんまり大きな失敗はごまかしようもないですけどね)
今日は他にしなければならないことが色々とあって、ほとんど一日つぶれてしまいました。おかげで、絵の方が描けませんでしたが、本当はそんな用事など全部後回しにしてしまってずっと描いていたかった……枯れ木に花を咲かせるのは、結構楽しい仕事なのです。
気を取り直して、寝る前に、これから少しだけ手を入れようと思います。
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