よく降りますね。今日も天気予報が外れ、遠雷が聞こえてきたと思ったら、案の定、ざあざあと降ってきました。
ここのところ何かと忙しく、ブログを更新しておりませんでしたが、長い文章を書くからいつも大変なのであって、そうでなければもっとまめに更新できるはずと思い至りました。
そんなわけで、今日も長い文章を書く余裕はないのですが、今描いている絵についてリポートしてみようかと。
以前描いた花筏(はないかだ)とはまた違う、桜の木立の絵を描いているところなのです。
……実は締切が迫っているのに、構想がなかなかまとまらず、描き始めるまでにかなり時間を使ってしまいました。
そのうえ、大下図を描いてイメージをつかむことができ、はやる気持ちを抑えつつ、パネルに和紙を水張りしようとしたところで、その和紙が使えないことに気が付きました!
普通、和紙に絵を描くときは、ドーサ液という、にじみどめを塗っておきます。和紙を買うときもドーサが引いてあるものと、引いてないものとを選べるようになっています。
しかしこのとき、ドーサ引きだと思っていた和紙が、そうではなかったのです。これでは絵具は滲むし、きちんと定着しません。
慌てて、ベッドやソファーのカバーにしていた大きな白い布を出してきて床に敷き、その上に和紙(212×152センチ)を広げます。大きさが大きさだけに結構大変。
そしてドーサ液を刷毛で、表、裏、そしてまた表と3回塗る必要があります。
梅雨時にはいろいろと失敗が多いので、できればこの作業は避けたかったのですが、今回は仕方がありません。扇風機という援軍を呼んでも、半日がかりとなりました。
梅雨だからどうかなとちょっと心配していたのですが、やっぱり滲み止めがうまく効いていない部分があり、どうも少しムラがある様子。完成には影響しないといいのですが。
水張りしてからもう一度表面にドーサ引きをして様子を見ます。
梅雨だとか湿気だとか、日本画の画材は天然素材名だけにいろいろと気難しくて、時々困
りますが、そんな性質ごとかわいく思えるのはなぜでしょう。手がかかる子ほどかわいいってことかしら?
さて、これを水張りして乾かすのにまた半日。そこに下絵を写すのに一日、墨で輪郭線などを描きおこすのに一日半。ようやく下準備が整いました。
「日本画って、時間は食うし材料が高いし、何かと面倒ばっかり!」と思うのに、それでも描いているのはなぜでしょう?……やっぱり惚れた弱み、ってやつですか。ううむ、それなら仕方がない。
そして今日は、墨と水干絵具で大まかな明暗を分けつつ、雰囲気を作っていく仕事にやっと入りました。絵具でいろいろと仕事をしていると、下図の線が消えてしまうので、時々墨で描き起こしてやらねばならず、意外に時間を取られます。
でも狙った通りの色を調合できたりすると楽しくなってきます。
さて、そろそろ乾いたころ。次の仕事ができるはず。
とりあえずの途中経過の写真を載せておくことにします。続きはお楽しみということで!
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