シュパキラ編(後)

降り立った駅から、行き先別にバスに乗り込み、岩塩の採掘場へ。

洞窟の入り口に集合して、ガイドさん(スペイン語なので私にはよくわからない)の説明を聞き、洞窟の中へ下っていきます。手すりや階段などが整備されているのでそんなに怖くはないものの、時々すべるので要注意。

そのうちに岩の壁に、ところどころ白いものがついているのに気が付きます。「これはもしかして塩なのだろうか」と思っていると、大きな結晶もでてきて、塩に間違いないことがわかってきます。岩も、ぺろっとなめたらしょっぱそうです。

 

岩をくりぬいて塩を運ぶ道を作ったようなのですが、こんなところにもクリスマスの名残らしい電飾が残っていて、驚きました。が、あまりまじまじ見ているわけにもいきません。トンネルがいろんな方向に伸びて迷路のようになっているので、うっかりしていたら、もう今のグループとは合流できなそうです。

 

塩水が染み出して結晶化し、柱のようになったところや、溶けた塩水の溜まった池などもあり、鍾乳洞にも少し似ています。でも、何か所か、棚のようになった部分などを祭壇にして、マリア像などが置かれていたり、キリストの誕生シーンが再現されていたりするのには驚きました。そういうところはきちんとライトアップされていて、みんなよく写真を撮っています。

「こんなところにまで?」と呆れつつも、「本当にここはキリスト教の国なんだな」と思わざるを得ませんでした。

 

洞窟を出て、またバスに乗って近くの町へ。ここでお昼休憩だったので、辺りを少し歩いて適当なお店を探しました。そうしてみつけたバーベキューのお店へ。花が沢山咲いている明るい中庭に、テーブルとイスとパラソルが出してあって、注文するとお店の人が焼いたお肉などを持ってきてくれるのです。

前にチョリソー屋さんで頼んだのと同じような盛り合わせを注文しました。お肉も、チョリソーも、つぶして焼いたバナナもおいしかったので満足!

 

まだ帰りの電車まで時間があったので、教会に入って宗教画を見て回りました。それからまた電車へ。

電車が走りだすと、隣の車両から、楽団が演奏しながらやってきました。ケーナなどの楽器で民族音楽を吹くグループ、バンドネオンやギターの人と組んでフォークらしいものを歌うグループなどがあり、うとうとしていた乗客も起きて、手拍子をしてはやしたてたり、一緒に歌ったりと盛り上がっていました。あんまり上手でない楽団もあるし、知らない曲もありますが、ここは一緒に手拍子をして楽しんだ方がお得です。

 

のどかな郊外からボゴタに向かうにつれて、次第に増えていく建物を眺めます。

そして、ウサケンの駅で停車。この時に乗客が半分くらいになり、楽団も降りてしまいました。しかし私たちは終点まで乗ります。

 

 ホームレスの “小屋”とさえ言えない住まい、金持ちの人たちが建てている庭付きの大きな新築。ごみは多いけど発達している都市部と、がらんとしているけどゴミは少なく緑の多い郊外。もう閉じてしまったのか、休日なのに人気のない闘牛場…。 たった数時間の電車の旅でしたが、それでもさまざまなコロンビアの顔を見ることができました。

レールの整備が悪く、目で見てわかるほど線路が曲がっているので、スピードが出せないのでしょう。 飛び降りようと思えば降りられるほどの、ちょっと遅すぎるスピードで走る電車に揺られて終点へ向かいながら、今日の旅を振り返りました。

窓の外はもう、夕暮れに染まっています。 

 

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コメント: 2
  • #1

    ボッコちゃん (水曜日, 24 4月 2013 12:34)

    毎週日曜日にはアパートから蒸気機関車の汽笛と煙が見えます。朝は9時くらいに通り、夕方5時過ぎに帰りの汽車が通ります。16両連結です。楽団の人は一両づつ回って行くのですが、ずっとくっ付いて行くおっかけの叔母様グループもいましたね。曲に合わせてみんなで
    大合唱。音程のとれている人はほとんどいませんが、(異議のある人いるかしら)楽しそうに大声で唄います。楽しきゃいいのよね。

  • #2

    nana (金曜日, 26 4月 2013 21:00)

    ボッコちゃん:コロンビア人は体でリズムをとるのが本当にうまくて、踊る文化のない日本人としては舌を巻くほかないのですが、歌の方はからっきしでしたね!あれには驚きました。学校教育に音楽がないのが主因かと思いますが、それでも楽しそうに歌う姿を見ていると、「楽しければすべて良し。日々これ好日」と思えてくるのが不思議です。…コロンビアに染まったかな?