シュパキラ編(前)

首都ボゴタから出発する、観光用の列車に乗って出かけました。日曜日なら汽車が走っているのですが、この日は電車でした。それでも、レトロ(というか実際に古い?)な列車で、汽笛も鳴るので、雰囲気はたっぷり。小走りくらいの速さで動き出した列車は、3時間近くかけて北上していきます。

こんなにゆっくりなのに、乗客たちはこちらがたじろぐほどのハイテンション。観光客向けの、現地人にとってはかなり高いチケットなので、ちょっと奮発した小旅行のような感覚なのかもしれません。やたらめったら写真を取り、お菓子を取り出して配ったりしている、親戚一同らしきグループもあります。

 

列車が走りだし、一番初めに目に入ったのは、ホームレスたちのいる場所でした。線路沿いのせまい空き地に、大きなゴミがゴロゴロ捨ててあると思ったら、それは彼らの集めた生活用品でした。そういうものを寄せ集めてビニールをかぶせたのを屋根にして、そこに寝ているのです。日本のホームレスの寝場所が小屋のような形をしているのに対して、こちらはゴミでなんとか寝袋を作っただけ、と言った感じです。

そんな暮らしなのに、なぜか犬がそばにいたりするのが不思議と言えば不思議で、しかもその犬たちがまた、日本の野良犬よりよほど素直でスレていない様子なのは、どういうわけでしょう…。

 

ホームレスの暮らすところを過ぎ、列車はボゴタの街を走ります。大きな道でも、踏切を下ろしてほかの車を止めて、列車が通ります。速度がゆっくりだから、なんだか待たせて申し訳ないと思っていたのですが、ほかの乗客たちはそんな風にはみじんも思っていない様子。通行人や車の中から踏切が上がるのを待っている人たちに、わーわー騒ぎながら手を振っていました。

 

時々、車内販売が回ってきて、タマル(バナナの葉で具を包んで蒸したもの)などを売っています。終点に着く直前になってケーキを売りに来ました。1ピースがかなり大きな、生クリーム(もしくはバタークリーム?)の載ったケーキでした。「もう5分もすれば着きそうなのに誰が買うんだか」と思っていたら、少し前の座席に座っていた人が買っていて、びっくり。このタイミングで売る方も売る方だし、買う方も買う方ということでしょうか?電車が駅についてしまい、慌てて食べていましたが。

 

列車に乗っている人たちは、車内で自分たちの行き先を言って、終点から先の料金を払います。行き先は2つあり、塩でできた教会か、岩塩の採掘場かを選べるのです。

私たちは採掘場へ行ってみることにしました。

 

 

 

 

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コメント: 2
  • #1

    ボッコちゃん (水曜日, 24 4月 2013 12:16)

    以前シュパキラに行った時は途中の駅から乗りました。始発駅があまり治安の良い所では無かったからです。車中は楽しかったので、今回は気を付けて始発駅から乗ってみようと思ったのです。しかしのっけからホームレスの人達の生活場所をお祭り気分満載の車窓から見る事になるとは思いませんでした。気のよさそうなワンちゃん達が寄り添っているのが少し気持ちを和らげてくれました。

  • #2

    nana (金曜日, 26 4月 2013)

    ボッコちゃん:電車が走りだして一番初めに見えるのがホームレスたちだとは、かなり強烈でした。でも、確かにコロンビアのホームレスは犬に囲まれていて、それを見ると少し慰められるものがありますね。しかも日本の野良犬とは大違いで、どの犬も穏やかで明るいですからね…!