研究所編

のそのそと草を食む牛
のそのそと草を食む牛

クリスマスごろから休暇を取る人が多くて、職場も人が少ないから、今のうちに遊びに来ないかと 誘われて、凹太さんの勤める研究所にお邪魔することに。

研究所のチャーターしているバスに揺られ(本当に揺れます)、着いてみると、想像以上に敷地が広い!いくつかの研究機関の研究所の他、図書館などの設備もあり、さらに農場や牧場が広がっています。

ざっと案内してもらいながら、「どこまでが研究所の敷地なの?」と尋ねると、遠くの森を指さし、「あそこに森が見えるだろ?」と言うので、”へぇ、あんなところまで…”と思いきや、「あの森の向こうをさらに歩いて2時間くらいかかるらしいよ」

 

凹太さんは”フィケ”という植物の病気について研究しています。

フィケは、リュウゼツランのような外見の植物で、根元から放射状に伸びる葉は高さ2メートルほどにもなります。長くて丈夫な繊維が取れ、その繊維はコーヒー豆を入れる袋や、コロンビア人がよく使っている肩掛けカバンなどにも使用されています。また、繊維は脱色しなくても生成りのような色をしているので、染料の発色も良いようです。

 

彼が仕事をしている間、私は牧場を散策に行きました。目的は牛や馬のスケッチです。

牛たちは動物園の牛よりもストレスが少なそうで、のびのびしていました。仔牛もいます。動物園などよりも間近で観察しながらスケッチができて、満足!

 

研究所には何頭か野良犬がいますが、その中でも性格が良さそうで賢い犬が一頭。やはり犬は犬好きがわかるのか、見ていたら、すいっと寄ってきました。表情に知性と気立てのよさがうかがえます。”うわ、いい相棒になりそうな犬!”と一目でわかりました。

が、残念ながらこれから食堂に向かわねばならないところだったので、かまうことができずに別れました。あとで探したけれど、敷地が広すぎて見つけようもありません。

心残りのままに、研究所を後にしました。

 

コロンビアには野良犬が多いのですが、いじめられたりすることがないのか、どいつもこいつも、”こんなにのんきで野良犬としてやっていけるの?”と訊きたいくらい、のんびりしています。芝生で寝転んでいたり、仲間とつるんで遊んでいたり。野良犬というより、みんなに飼われているつもりでいるのでしょうか。全然すれたところがありません。

 

ラブラドール系やシェパード系の雑種が大半で、大型犬好きの私にはとても嬉しいところ。意思疎通できるだけの知性を感じる、賢そうな犬もたくさん!しかもなぜか美形ぞろい。

”こんな美しい犬が野良犬なんて、世の中どうなってるの?!”と叫びたいほど美麗(!)な犬にも何頭か会い、できることなら日本に連れて帰りたいと思うほどの、強烈な一目ぼれをこの旅で何度もしてしまいました。おそるべし、コロンビアの野良犬たち。

 

そんな時、ふと、前に読んだ本に出てきたセリフが頭をかすめます。

 

「あなたみたいな美人がひとりでいるなんて、ちょっとした奇跡ね。つまりあなたは、まだこの世に奇跡が起こっているってことの生き証人なわけ。」

 

コメントをお書きください

コメント: 5
  • #1

    凹太 (月曜日, 21 1月 2013 11:01)

    研究所にようこそ。広くて、建物がぽつり、牛もぽつり。草地と畑が拡がり、うろうろしていると迷子になります。赤レンガの建物が緑に映え、気に入っています。
    凹太の大好きな野良犬も気に入ってもらえてうれしい。たまに食堂に入って来るけど、じっとお座りして誰かがおこぼしをするのを待っている良い子です。時に、歩道に死んだように寝ています。すぐそばを人が通ってもびくとも動かない大物です。

  • #2

    ボッコちゃん (火曜日, 22 1月 2013 23:11)

    こちらでは、飼い犬を散歩につれて行くのを職業にしている人を良く見掛けます。私のアパート近くでは、10頭以上預かっている親子づれに会います。小学生だと思うのですが、学校は午後の部かしら?と心配しながら
    すれ違います。ワンちゃん達はお行儀良く歩いています。アパートから別の犬を連れて来るまで、みんなでおすわりして静かに待っている風景はちょっと感動ものです。

  • #3

    nana (月曜日, 28 1月 2013 20:48)

    凹太さん、
    研究所に連れて行ってくれてありがとう。
    あの犬も、元気にしているのですね。私の方に、とととっと寄ってきてくれた時のことが妙に印象的でした。

    ボッコちゃん、
    滞在中、その光景を見られるかなと思っていましたが、結局数匹の散歩風景までしか見られませんでした。それだけの犬たちが歩いていたら壮観でしょうね。
    それにしても、あのゴージャスな毛皮(自前の)をまとった犬が忘れられません。コロンビアに行って、さらに犬が飼いたくなりました。

  • #4

    ラブメガ (土曜日, 09 2月 2013 00:45)

    こんにちは。NANAさんのブログのファンの一人です☆☆
    カルタヘナ在住で、メガネがラブリーなのでラブメガというあだ名をつかいました(笑)やっぱNANAさんの感性好きです。
    犬好きだったら、野良犬の存在が理解できなくて悲しくなるのかと思っていたので、衝撃でした。確かにコロンビアの犬たちはたくましく生きています(笑)道の真ん中でおなかだして寝ているくらいの余裕・・・ちょっと意地悪な気持ちが騒ぎますが、お昼寝の邪魔はしません。
    そして「確かに!!!」美形揃いです!!。印象としてはボゴタのほうが大型犬が多い気がします。こちらコスタは中型犬が多いです。
    ずいぶん前になりますが、カルタヘナの道端でものすごく愛らしい子犬に出会いました。10分ぐらい持って帰ろうかと迷いましたが、その後の責任が取れないと考え、振り切って家へ帰りました。

    うちも犬好きです☆

  • #5

    nana (月曜日, 11 2月 2013 00:09)

    ラブメガさん、コメント有難うございます!!
    というか、またずいぶんすごいあだ名がついたものですね。メガネはたしかにラブリーだったし、よくお似合いでしたけれども。

    コメントを読んでいて、子犬を連れて帰ろうか悩むラブメガさんの姿が容易に想像できました。振り切って立ち去るところまで…。
    その後の責任を考えると、正しい判断だとわかっているけれども、それでも苦しいものですよね。その子犬が無事大きくなって、道端で気持ちよさそうに日向ぼっこしているならいいなと思いました。

    コロンビアの野良犬は日本の野良犬より擦れていなくて、悲壮感もなくて。つまり、野良犬という感じがせず(!)、本当にびっくりしました。人通りが多いところでも平気で体を伸ばして昼寝をし、しかもその犬を蹴ったりせずに人間の方が避けてやっていて。犬は気持ちよさそうに夢の中。…ちょっと羨ましいな、とか。
    そしてなぜあんなに美形揃い!日本で数年かけて見られる美形な犬の数を、たった数日でクリアできるくらい、美形の犬が揃った国である気がします。眼福、眼福!

    たしかにカルタヘナは中型犬が多いですよね。それはそれで可愛いのですが、ボゴタは大型犬ばかりで、大きなけものが大好きな私には天国でした。美形で大きい犬なんて、考えただけでため息ものです。