ボゴタ編:黄金博物館 ボテロ美術館

ボゴタに戻ってきました。やっぱり空気が薄い。日本にいるときのように早歩きすると、すぐ息が切れます。頭も空気が足りてないような気がしたり。

 

専用レーンを走る、路面電車のようなバスに乗り、中心街(セントロ)へ。古い建物が多く、立ち止っていろいろ見たくなりますが、治安が悪いのであまり立ち止ってきょろきょろはできないし、スリも多いので気を抜けません。警察官が4人1組になって行動しているほどです。

 

しかし、セントロには博物館や美術館が集中し、教会もたくさんあります。

まずは黄金の博物館と、ボテロの美術館に行ってきました。

 

空港の名前がエルドラド(黄金郷)ということからもうかがえますが、コロンビアは金が豊富なことで有名な国です。古代から金を加工し、祭礼や儀式に用いていました。

博物館では発掘した金の装飾品や神具などを所狭しと展示していて、どの展示室も金でいっぱいです。素焼きの神具などもありますが、それ以外はほとんどすべて金ばかり。

最初は、打って伸ばし、穴をあけたような素朴な作品もありましたが、時代が進むにつれ技術も進歩し、細工も細かくなっていくのがわかります。権力者用の装飾品、儀式用の腕輪や首飾り、死者の副葬品だったもの…呆れるほどの金製品の豊富さ。

しかし人間や動物のモチーフは多いのに、植物のモチーフがほとんど皆無なのが不思議です。

 

ちょっと目がちかちかしたまま外に出て、ボテロの美術館へ。ボテロは間違いなくコロンビア 出身の画家の中では一番有名な人物です。代表作はモナリザのパロディの、ものすごい太ったモナリザの絵でしょうか。(伊東屋にも絵葉書が売っています)

私も昔、美術の資料集か何かでこの絵を見ましたが、あまりいいとは思わなかった記憶があります。しかし、彼は素晴らしいことに、自分の絵を売ったお金で、世界中の画家の絵を買い集めて公開していたのです。(彼の絵よりそちらの方が面白いと聞いて見に来た、という失礼な話ではあります。)

 

ボテロ自身の絵は、何もかもがぼてぼてと丸っこく、人物もぼってりと太っていて、あまり見ていて気持ちのいい絵ではありませんでした。シュールで面白いけれど、何枚でも見たいタイプではなく、私の好みには合わないようです。

しかしボテロのコレクションには、ピカソ、ブラック、ルノワール、ジャコメッティ、ビュッフェなどそうそうたる面々が!

額にもガラスはなく、30センチくらいの距離で間近に作品を鑑賞できる点も素晴らしい!予想以上のコレクションでした。

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コメント: 3
  • #1

    凹太 (月曜日, 21 1月 2013 10:51)

    黄金博物館は見ごたえありでしたね。ボテロは彼のコレクションがゆっくりとしかも無料で見られ素晴らしい!ですね。また、ボテロ美術館はコロニアル建築でこれも素敵でした。ボゴタには教会が多く、いずれも壮大で、高く、立派なものでした。西洋美術史特論を取っているように、順に説明していただきました。いずれにせよ、こんなに沢山、しかも植民地時代に良く作ったものだと感心させられました。

  • #2

    ボッコちゃん (火曜日, 22 1月 2013 23:33)

    ボテロのコレクションは、有名な画家の作品というだけでなく、絵も凄く良いものを選んでいたように感じました。みんなに公開することを前提にしていたかどうかは解りませんが、ボテロ自身が欲しかったのだと思います。他の画家は他人の絵を買ったりしていたのでしょうか。ゴッホなどは、貧しかったから無理でしょうが、ピカソとかどうなのかしら?私の予想では、制作に忙しく、他の人の絵には関心が無かったように思うのだけれど・・・。館内は空いていてゆっくり観られて、お薦めスポットです。

  • #3

    nana (月曜日, 28 1月 2013 20:54)

    凹太さん、
    西洋美術史が好きなもので、ついつい近くにいる人に語らずにはいられない悪癖があるのです。ご容赦くださいませ?

    ボッコちゃん、
    うーん、ピカソがほかの画家の絵を買っていたかは知りませんが、見に行くことはあったみたいですよ。フジタの絵の前でこの乳白色をどうやって出しているのか考えていたというエピソードを聞いたことがあります。
    でもなんとなく、ピカソは自分のことに忙しいイメージですよね。

    ボテロのコレクションはよかったです。私も好きな絵をコレクションしてみたいものです…。