サンマ三昧

日比谷公園で開催中の全国都市緑化フェアに参加しております、日産緑化株式会社のブースで、たまにお店番をしています。実はこちらのブースで、私が原画を描いたポストカードを販売していただいているのです。

ポストカードは、キキョウ、アザミ、ランタナ、スペアミント、スイカズラの5種類がセットになって500円で、売り上げの一部が『桜ライン311』という、陸前高田市の津波の最高到達地点に桜並木を作るプロジェクトに寄付されます。

震災の記憶がいつしか風化してしまうことは避けられませんが、ここまで津波が来たのだと後世に伝えていこうという気持ちを応援したいと思っております。

緑化フェアのイベントは今月28日まで。ガーデニングや緑化に関連した企業が提案する庭の展示などもあり、また今は公園を散歩するのにもいい時期です。ぜひ近くにお越しの際にはお立ち寄りくださいませ。

 

しかし、フェアの楽しみは庭だけではありません。ほぼ毎日のように小さなコンサートがあるので、昼休みにステージを眺めながらご飯を食べられるのです。消防庁の楽団、マリンバやフルート、そしてガムラン音楽や中華街の獅子舞まで、多少あたりはずれ(?)があるものの、いろいろな演奏や踊りが見られます。

中学の頃は吹奏楽部でパーカッションをやっていたので、マリンバの演奏は見入ってしまいました。弾いたことのある曲などが流れ出すと、懐かしく思うと同時に自然と手がメロディを追ってしまいます。手がおぼえているのを感じます。今ならもっと情感を込めて弾けるだろうななどと考えると、よりいっそうウキウキしてきます。

消防庁の楽団も吹奏楽団だったので、やはり懐かしく鑑賞しました。弦楽が入っているかいないかで、楽団の音というものは全く別物になります。クラシックの曲はオーケストラ向けのものが多いけれど、吹奏楽をやっていたせいでしょうか、弦楽のない『吹奏楽』の独特の温かみあるハーモニーが時々無性に聴きたくなります。なぜか弦楽が入ると、かすれた音に叫びのような悲愴感や冷たさを感じる時があります。普段はそれも含めてオーケストラが好きなはずなのに、時々、音がよくまとまっていて、家庭的といいたいような温かさを感じさせる吹奏楽が恋しくなるようなのです。なのでこんなところで思いがけず、生で吹奏楽が聴けて、とても嬉しかったです。

 

コンサート以外にもいろんなイベントがありますが、今日はこれまでで一番混み合いました。女川市の人たちが震災復興支援への感謝として、サンマを無料でふるまってくださったからです。

整理券配布所がブースの前だったので、私も空いている時を見計らって焼きさんまの引換券を頂きました。お昼休みに焼き立てのサンマを食べられるとは、なんて贅沢!サンマは鮮度が素晴らしく良く、薬味や調味料などなくても美味でした。素材の味だけでおいしい!

それだけでもう大満足だったのに、つみれ汁と、生サンマ十尾の引換券を人から頂いてしまい、謀らずもサンマ三昧の日となりました。

生サンマは発泡スチロールに氷とともに詰められていて、持って帰るのが重くて大変でしたが、家に帰って開けてみたら生きているかのように新鮮なサンマに感動して、そんなことは忘れてしまいました。

 

これなら刺身は作れるだろうか、と思案。

“これは間違いなく今まで我が家の台所にやってきた魚たちの中で一番新鮮だ、これが新鮮でないなら新鮮な魚なんて世界のどこにもない、これが刺身を作るのに耐えられないほどの魚であるはずがあろうか、いやない。今日は時間も元気もあるというのにこんな新鮮な魚を刺身にしないのは私の美学に反する、よって刺身にすべきである。料理をする者ならばこのサンマに素材としての手ごたえを感じずにはいられないはずだ、鳴るほどの腕がなくても鳴らしたくなるのは必定、よってやはり刺身にすべきである…”などと、ボールでもぽんぽん片手で投げるように思考で遊んでから、メニューを決定。

2尾はいいところだけ取って酢でしめる、もう2尾は明日の夕飯に焼くことにして、残りはしょうがとともに圧力鍋で煮ることに。新鮮なサンマをこんな潤沢に使えることはもう二度とないかもしれない。わくわくしながら、せっせと料理しました。

 

基本的に私の朝食はいつもパンなのですが、明日はご飯を炊いて、酢でしめたサンマを頂こうと思います。なんだか子供みたいですが……寝る前から明日の朝ご飯が楽しみです。

 

 

 

コメントをお書きください

コメント: 2
  • #1

    凹太 (日曜日, 21 10月 2012 08:01)

    なに、秋刀魚だと、と大声をあげたくなります。こちらには青魚が冷凍でもなく、憧れです。知ってか知らずかと丁度ある人から、「地魚と豆腐をさかなに、凛と冷えた日本酒を飲みながら凹太の話しをしていた」とメールを受け取ってじっとがまんしていたところでした。秋刀魚の塩焼き、羨ましいぞ!!

  • #2

    ボッコちゃん (日曜日, 21 10月 2012 12:47)

    葉書の売り上げが桜並木を作るプロジェクトにいかされるとの事、楽しみです。いつか訪れたいですね。それにしても美味しそうなサンマのお話。おさしみを作るのに使ったのは、棚ぼたで手にいれた有次の包丁でしょうか。こちらでは大根、生姜、醤油は手に入り準備OKなのですが、肝心のサンマがね~。羨ましいかぎり。