(写真は、先日久々に訪れた、川村記念美術館。企画展を見に行ったのですが、その日に見た絵の中で一番面白かった絵は、常設展示にありました。
南蛮人を描いた屏風で、当時の日本人から見た南蛮人像がよくわかります。顔の描写の細かさに画家自身の強い興味を感じますが、それよりなにより「大きい」。
画面手前に描かれた侍たちより、後方にいる南蛮人たちの方が1.5~2倍は大きいのです。
黒くて丈の長い修道服を着こんだ、見上げるような大男たち。この相入れにくい不気味な集団を怖さ半分、好奇心半分でのぞく庶民や侍の姿がコミカルでした。)
さて、また本の話ですが。
本を読んでいる途中で別のことを始めることは、私の場合、滅多にありません。でも最近は読書の途中で、本を置いて席を立つことがあります。
何をするのかというと……紅茶を淹れるのです。
というのも、このところ読んでいるミステリ(シリーズ物)の主人公が根っからの紅茶党で、お茶を飲むシーンがよく出てくるのです。
この主人公、紅茶好きが高じて、部室にもティーセット(ウェッジウッドのナポレオンアイヴィ!)を置き、仲間たちとお茶会をし、利き茶までします。部活の練習で遠くに行く時も、魔法瓶に紅茶を入れていって仲間や先生にふるまい、また友人とサロン・ド・テでお茶を飲んだりもしています。
そんなわけで、ちょっと数えてみたら、なんと一冊(と言えどもノベルズ版で817ページなので普通の文庫本なら2、3冊分)で、13回も紅茶を飲んでいた主人公氏!
ところで、大のお酒好き、恩田陸氏の書く小説には、必ずと言っていいほどお酒を飲むシーンがあります。紅茶党で、さほど「イケる口」でもない私は、お酒のシーンではあまりのれませんが、きっと左党の読者には、共感する部分があってたまらないのではないかと思いながら読んでいました。
でもこの本では紅茶がとかくよく登場するのです!イギリスのミステリなどでは珍しくありませんが、日本のミステリで、ここまで紅茶が登場するものもないと思います。さまざまな人と共に、さまざまな状況で飲まれる、さまざまな紅茶たち。
そんなシーンを読んでいると、なんとなく紅茶が飲みたくなって、私は読書を中断してしまうのです。マグを持って戻り、紅茶を飲みながら続きを読むしあわせ……!
毎回とはいきませんが、かなりの回数、主人公たちと一緒にお茶を飲んでいた気がします。
主人公はかなり高級なお茶を次々と飲んでいきますが、中でも最高級のダージリン、ピュッタボン・ファーストフラッシュは、やたらと美味しそうに描かれていました。当然、飲みたくなりましたが、さすがに家にはなかったので諦めました。来年はファーストフラッシュ(春摘みの紅茶)を、季節を逃さず買おうかなと思います。
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ボッコちゃん (木曜日, 26 7月 2012 23:03)
こちらは標高2600メートル。お湯は91度で沸騰しました。
紅茶がいまいち美味しく淹れられません。
ヨークシャーティー持って来たのに残念。
紅茶はシュンシュンに沸いてるヤカンのそばにティーポットを持って行く
位温度に気を使うんでしたよね。当分コーヒー一本槍です。
nana (日曜日, 05 8月 2012 20:36)
ボッコちゃん、こんばんは。
そちらでは紅茶が美味しくないとのこと、残念ですね。紅茶派の私には住みづらそうなところですが、ボッコちゃんはコーヒー党なのでまだよかったですね!
コーヒーは90度で淹れるのが正解らしいので、きっとコーヒーは美味しいでしょう。コーヒー豆の国ですし。