ゆすらうめを収穫して、ジャムを作りました。
収穫した実を計ったら、200gでした。このゆすらうめの木は一昨年買ったばかり、しかも鉢植えとあらば、200gはよく採れたと褒めてやるべきでしょう。
”ゆすらうめ”という言葉は、子供の頃、家の本棚にあった本の背表紙で知りました。確か
『ゆすらうめの実る頃 吉行あぐり』 という本でした。
本棚の前で、「”ゆすらうめ”って何だろう?」と疑問に思った記憶があります。そして、「きっと読めば”ゆすらうめ”がどんなものだか書いてあるページがあるかもしれないけど、そのために読む気はしないな」と思った記憶も。
それでもなんとなく気になったのは、”ゆすらうめ”が果物に違いないと思ったからでした。 ”実がなる”という言葉はわりに木の実全般に使うけれど、”実る”という言葉は、食べられるものに使うことが多い気がしていたからです。
大きくなってもやはりその本を読むことはなく、また「”ゆすらうめ”って何?」という疑問もいつしかどこぞへ流れてしまっていましたが、数年前に再び”ゆすらうめ”という言葉と再会しました。
今度は角野栄子さんの書いた『魔女の宅急便』(ジブリのアニメの原作)の中でです。キキが知り合った老女が、キキに出してくれた赤色の美しい飲み物が、ゆすらうめでできたものだったのです。
ルビーのように赤く透き通った美しい飲み物ができるらしい、このゆすらうめってどんな実なの? と、ゆすらうめへの興味が再び芽生え、苗木を求めて鉢に植えたという訳です。
ゆすらうめは桜のころ、桜に似ているけれど、もう少し地味で楚々とした花を咲かせます。桜と違って花は枝に直接つくので、実も枝に直接つきます。
実は小指の先くらいの大きさで、全体が真っ赤になります。味は食感も見た目もさくらんぼに似ています。小さくて、甘さ控えめで、軸のないさくらんぼ、といった印象です。
ジャムはとにかく色がきれい!甘酸っぱいさくらんぼのような味で、ぱっと鮮やかに映える赤色が美しいジャムができました。
実は200gでしたが、種を除くとずっとかさが減ります。それでもこの赤が見られたのだから、もういいや!という気になりました。
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凹太 (日曜日, 17 6月 2012 12:39)
ジャムは色がきれいでおいしそうですね。こちらはまだ作る余裕がないので、買いました。何をかって?Hiho(イチジク)、パインナップルとマンゴのMIX。おいしいぞ。
ボッコチャン (日曜日, 17 6月 2012 13:11)
初収穫おめでとうございます。次はすぐりでしょうか?お味見出来ないのが残念です。
nana (火曜日, 19 6月 2012 22:42)
コメントありがとうございます!
凹太さん、(失礼ながらお名前ににやりとしてしまいました)すかさずスペイン語で来ましたね…。
それにしても、そちらではずいぶんトロピカルなジャムが売っているのですね。パインとマンゴーとはまた、なんとも美味しそうな組み合わせ!
ボッコチャン(更に「さん」をつけるとおかしいので省略させていただきます)、赤すぐりをおととい収穫しましたよ。宝石のように綺麗でしたので、鳥に少し食べられたのがまるで非常に大きな損害のように感じられた程です。ルビーを何粒か盗まれたみたいで…。
Mayshir (日曜日, 01 7月 2012 20:48)
「ゆすら梅の実る頃」、読みましたよ。朝ドラの原作でしたね。
タイトルバックの花(切り絵?)が美しく、古い「暮らしの手帖」
の表紙を彷彿とさせるレトロ感でした。現物の色が見られて感激です。1世紀近く生きていて、今もなお美を追求する吉行あぐりさんのふくいくたる感性を連想させてくれます。
nana (日曜日, 08 7月 2012 21:48)
さん、初めまして。コメントありがとうございます!
お返事が遅くなりまして、すみません。
『ゆすら梅の実る頃』、お読みになったのですね。
タイトルはシャンソンの『さくらんぼの実る頃』からとったのでしょうか。あわあわと色彩が浮かんでくる、素敵な題だと思っています。