柏餅

ご無沙汰しております。更新が遅くなってしまいましたが、一応元気にしておりました。

 

写真を撮っておきながら、載せることができていないものもいくつかあります。

とりあえずまず一点。

今年作った、柏餅の写真です。ちなみに下の深緑色のお皿は、京都で一目惚れしてしまった織部で、私の一番のお気に入りです。

 

我が家では、毎年子供の日のころに柏餅を作ります。今年は、母が米屋(成田にある和菓子屋さん)の和菓子教室で教わってきたレシピで作ってみました。

 

餅の生地には白玉粉を入れず、上新粉だけを使いました。水で練って一度蒸した後、水溶きした片栗粉を混ぜてつき、餡を包んで、また蒸します。冷めたら柏の葉にはさんで出来上がり。

二度蒸すので手間はかかりますが、やはりつくりたてを食べられるのは、家で作る人の特権です。白玉粉でなく片栗粉を入れるため、もちもちというよりは、しこしことした食感で、表面も落ち着いたつやが出ます。白玉粉を入れる生地よりは早く硬くなってしまうのが難点ですが、一段上品な気もして、私は気に入りました。

 

柏の木は、秋になって葉が枯れてもすぐには落ちず、春になって若葉が出てから落ちるので、「代を絶やさない」という意味で縁起が良いものとされています。それで子供の日にも柏餅を食べるのだとか。

それにしても、柏の葉の香りのよさときたら!そして、餅を包むのに十分な大きさ、味のある形、そして餅の白さに映える鶯茶緑の色…。

もし今、私たちが何の予備知識も与えられずに、ぽんと野山に放り出されて、「餅を包むのにいい葉を探して来い」と言われても、きっと途方に暮れるだけでしょう。昔の人の、山の恵みを上手に生かす知恵には、つくづく感心させられます。