ボリス!!

左が本、右がぬいぐるみ。似ているでしょうか?
左が本、右がぬいぐるみ。似ているでしょうか?

明けましておめでとうございます。

 

新しい年になったからといって「おめでとう」という言葉を使ってよいのかと考えてしまうほど、昨年は心痛の多い年でした。

 

あの未曽有の震災以降、いまもなお多くの人々が、時が止まったままのような心を抱え、誰かを亡くした悲しみや日常を奪われた苦しみとともにその日を生きています。

私は東北に住んではいないし、身近な人をなくしたりもしませんでした。それでもやはり、去年という年を思い返すと震災のことばかりが思い出されます。

大地震とそのあと襲いかかった大津波によって、破壊された集落。家や車ごと飲み込まれていく人々。次々と救出される生存者と見つかる遺体。一面のがれきとなった大地で呆然とするひと。避難所の混みあった体育館。おさまらない余震に怯える子供。足りない物資。まさかの原発事故とさらなる避難。家族同然の家畜を見殺しにせざるをえない人の慟哭。放射能の恐怖。福島への云われなき差別。処分される農作物。長引く避難生活。まだ足りない物資。やせほそった犬のかなしい瞳…。

日常がここまで無残に破壊されることがあるのだろうか、と思うほど悲惨な光景が繰り返し報道され、来る日も来る日も絶望にひどく近いものにばかり接していた震災後の日々。

直視するのも苦しかったけれども、これは真っ向から受け止めなければならないことだと思い、じっと耐えて画面や紙面を見つめていました。

そんななかでも少しずつ、「失われなかったもの」や、被災地への支援の手、ボランティアの奮闘の様子などが報道され始め、いまでは前に向き直り新しい生活を獲得していこうとする、沢山の被災者の姿が伝えられています。

 

にんげんってこんなにつよかったのか、と思いました。

あれだけの絶望の中で、いきていくことを決め、がれきを片付け、避難所でのルールを作り、悲しみや寒さと戦い、理不尽に苦しみながらもひとつひとつ問題に向き合い、協力しあって自治し、そしていつか新しい生活をするために出ていくのです。

そうやって頑張っている人々の姿を思い浮かべると、やはり多少気が引けても、ここは敢えて「明けましておめでとう」というべきかなと思うのです。今生きて新しい年を迎えられたことへの言祝ぎとして、心をこめて。

正月早々、今日も震度4の地震がありました。新たな大地震への不安も依然として消えません。それでも、今年一年が良い年になるようにと祈りたいと思います。

 

 

話は変わりますが。

 

児童文学や絵本に出てくるキャラクターのぬいぐるみが好きです。ぞうの「ぐるんぱ」や、ぶたの「オリビア」、ブルーナの「ブラックベア」などいくつか持っています。でも欲しいと思って探しても、ぬいぐるみがないこともあります。

『エルマーのぼうけん』の「りゅう」もそのひとつでした。どうしてもないなら、作ってみよう!と思い立ち、作ってみたのが写真のぬいぐるみです。青と赤のフェルトと、黄色いリボンでできております。グラフィックデザイナーが描いただけあって、この明快な青・黄・赤の配色は絶妙です。

私が作ったぬいぐるみは、ちょっと羽がくたりとしてしまうのですが、それ以外は会心の出来かな、と思っています。

 

ちなみにこの「りゅう」、シリーズ3巻目にてやっと名前が「ボリス」だということが判明します。りゅうだけど、みかんや「スカンクキャベツ」なる野菜を好んで食べます。また温厚な性格で、時々ばか丁寧なほどの育ちの良さをみせます。

辰年なのでご紹介してみました。

 

さてこの一年は私も、制作に、仕事に、庭仕事(まずは土づくり!)に、読書(去年は80冊読了。思っていたよりも少ない)にと頑張ろうと思います。

これからはもっと頻繁にこのブログも更新していく予定ですので、乞うご期待!

今年もどうぞよろしくおねがいいたします。