母と、京成バラ園に行ってきました。
花の写真を撮るのが目的のひとつだったのですが、風で花が揺れてしまい、あまり写真は撮れませんでした。けれども、久しぶりにじっくりとバラを観察。
バラ園は秋のバラが7割くらい咲いたか、という様子でした。天気もわるくなく、ご高齢の団体客やおばさんグループなどでにぎわっていました。せかせかとカメラを担いで歩き回り、いいアングルを探す人も見受けられましたし、バラ愛好家と思われる人たちが交わす、熱心なバラ論議も聞こえてきます。
私たちはというと、我が家の庭に迎えたいバラを探していました。
私が思い描いていたバラは、淡いアプリコットかピンクの花、できればカップ咲きのアンティークローズで、いい香りがして、一輪で生けても映えるもの。
いくつかいいなと思うバラを見つけ、名前を控えて売店で探しましたが、在庫がなかったり、ひと株8000円もして手が出なかったり。
どれかいいものがないかと、売り場を何周もしてバラばかり見ているうちに、「どんなバラを探してたんだっけ?いや、バラってなんだっけ?これらはみんな本当にバラなの??」とゲシュタルト崩壊(?)のように混乱をきたす始末。
この中から我が家にぴったりのバラを見つけだすことなんて無理だったのか、と諦めかけていたところで、「これいいな」と思うバラを発見!
ところが、品種名や値段が書かれたタグがついていません。レジにいた店員に訊ねると、その方はバラには詳しくなかったらしく、近くにいたバラの専門家らしい店員に「このバラ、なんでしたっけ」と訊いています。
訊かれた男性は、バラをひと目見るなり「あっ」という顔をしてそれから頭を抱えてうなっています。どうやらど忘れしてしまった様子。
もう一度顔を上げて花を見、香りを嗅いで、「この花、この独特の香りはまちがいない」などと呟く様子に、“ああ、バラのマニアってこういう感じなんだ”と妙に納得。私の身近にもひとり予備軍がいますが、なんだか似通ったものを感じたのです。
店員さんは「まちがいない」などと言いつつも、なかなか名前が出てこないようで唸り続けています。すると、それを見下ろしていたレジの店員がぐるっとこちらを振り返って言いました。
「ちょっと待ってくださいね、いま思い出しますから。」
思い出すのは自分でないのに!しかも思い出せるとも限らないのに!
きっぱりと断定口調で、それもしれっとした顔で言うので、思わず吹き出してしまいました。
でも結局、バラのマニアらしい店員さんは、そのバラが「アンブリッジローズ」というイングリッシュローズであることを、しっかりと思い出してくれたのでした。
そんなわけで、淡いピンクでいい香りのバラが我が庭に加わりました。
今は一輪しか花がついていない苗ですが、来年の春にはもっと咲かせることができるでしょうか。今からとても楽しみです。
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