梨園のポスター

フラッシュで光ってしまいました
フラッシュで光ってしまいました

毎日うだるような暑さが続いております。

この暑い中、我が庭を遊び場だと信じこんでいるらしい、野良猫の兄弟4匹は毎日我が庭で遊び回っています。フン害には憤慨しているものの、私は猫自体は嫌いではありません。涼しいところを見つけて昼寝をしていたり、3匹くらいで行進していたりするのは、ほほえましい気さえして憎めないものです。

 

でも、最近気になるのは、そのうちの1匹(黒)が虫を捕まえて遊んでいること。ちょうちょは仕方ないかもしれないけれど、セミまで捕まえてしまうのは看過できません。

その現場に遭遇するたびに、

「こら、放しなさい!セミは7年越しの命なのよ」

と言い聞かせてみるのですが、馬耳東風、馬の耳に念仏、猫に説教。7年越しの必死の恋を無下にしてくれるな、という私の切々とした気持ちは、これっぽっちも伝わりません。

 

 

 

さて、上の写真ですが。先ほど納品してまいりました、印西市内にある『内野梨園』のポスターです。梨が健康にいいということをアピールするポスターで、効用がいろいろと書かれている、イメージ広告というよりは実用的な広告です。

 

アクリル絵の具を使ってポスターを描くなんて、本当に何年ぶりでしょうか。レタリングを写したり、ぴっちり絵具を塗る作業というのは、完成への道のりが目に見えるので楽しいですね。日本画の制作とは使う回路が違うし、悩むことも少ないので、たまにこういうデザイン的な仕事をするのもいい気分転換になりそうです。

ポスターなので、サイン入れていません。でも皿の上には梨が7切れ、これがひそかにサイン代わりです。

(もし内野梨園に行かれる方は、美味しい梨を買うついでにポスターも探してみてくださいね。ポスターの他、今年リニューアルした内野梨園のちらしのデザインも私の作品です。)

 

ちなみに。この梨園は、そんじょそこらの梨園ではございません。私が今まで食べてきた梨の中で一番(!)の、おいしい梨を作っています。私が物心ついたころから、梨と言えばここ!で、それは今でも変わりません。

 

夏になると毎年ここで梨を買うので、梨は夏のおやつの筆頭でした。

冷蔵庫からきりっと冷えた小さな梨を取り出し、くるくると皮をむき、丸かじりすると、甘くて冷たい果汁がじゅわっと口いっぱいに広がって、後からほんの少し青い梨の味がします。汁が腕を伝うのを気にして、流しの前に立ったまま夢中で食べた夏休みの記憶があります。

……今でも、まぁ、似たようなことをしておりますが。

そういえば、私や兄たちも、“リンゴの皮むき”をリンゴではなく、梨で覚えたものでした。