チャリティコンサートと、アンティークのオルガン

昨日、我が家でピアニストの御子柴聖子(みこしば たかこ)さんをお招きしてのチャリティコンサートがありました。

 

来てくださった方々には、小雨のぱらつく中、こんな辺鄙なところへ足を運んでいただきまして有難うございました。義援金もおかげ様でたくさん集まりました。

集まった義援金は、家も診療所も流され、物資も設備もない中、自らも避難所で生活しながら避難者たちの口腔ケアに奔走している岩手県の歯科医師の方へお送りすることになっております。

 

コンサートは2部に分かれ、第1部はピアノでショパンやベートーベン、モーツァルトなどを。そして、お茶を飲みながらの休憩をはさんで、第2部では我が家のアンティークオルガンでバッハを弾いて頂きました。

 

我が家のオルガンは、母がアンティークショップで見つけ、そのお店の閉店セールで半額(!)になったところを購入したものです。110年前にアメリカで作られ、イギリスに輸出され、教会で使われていたようです。譜面台の中の物入れにも、讃美歌集が2冊入っていました。

修理をして音が出るようになったものの、クリスマスの頃に簡単な讃美歌などを弾いて楽しむくらいで、磨いてディスプレースペースとしてつかうばかりでした。それでもアンティークの家具というものは、あるだけで美しく、気持ちを豊かにしてくれるものなので、もったいないとは思いつつそのままにしていました。

 

でも、やはりプロにバッハなどを弾いていただくと、オルガンがいきいきとし、よく鳴るように感じられました。オルガンが長い眠りから覚めたようだった、とおっしゃった方も……。 

聴き惚れながら、“こんなにいきいきと音楽を紡ぎ出せるオルガンだったの。いままであなたの魅力を引き出せなくてわるかったね”と、思わず心の中でオルガンに謝ってしまったくらい。

 

オルガンはあまり細かい指の動きについてこられないし、音域もせまいので、ピアノの曲をそのまま弾くには向きません。なので、あのオルガンでも弾ける、いいバロック音楽の曲集がないかと思って探していたのに、頓挫していました。でも、昨日のコンサートの後、やっぱりあの音に似合った曲を探し出して、練習しなくては思い直しました。

素朴だけど力強いオルガンの音が、あんなにいきいきと繰り出されていくのを知ってしまうと、“もうすこし生かしてやらなくてはな”という気になります。