旅 奈良 

二日目は奈良へ。

奈良公園を春日大社へ向かい、途中で鹿せんべいを入手。鹿せんべい屋の前で、張り込み(!)をしていた大きな雄鹿が途端に寄ってきて、角をすりつけてきました。まだ袋角(角が皮に覆われている)で、かゆいのかなと思っていたけれど、どうやらただの催促らしい。少し離れるとしきりに角を上下に振ります。せんべいをやると、また角をぐわんぐわん振ります。

妙な仕草をするものだと思いましたが、そこではたと気がつきました。なんと、お辞儀をしているらしい!しかもその鹿だけでなく、子鹿含めどの鹿もお辞儀をするのです。

まさか鹿にせんべいをねだらせる芸を教えるなんて。動物をいたずらに人間仕様にする風潮には異議あり、です。いったい誰がそんな余計なことを?と愕然。

 

 

鹿をかまいながら、春日大社にお参り。緑の中で鮮やかな朱色のお社が引き立ちます。

朱色と言っても、寺社によって塗られている色がずいぶん違うようです。経年変化のせいでなく、もともと塗っている色が異なっているように見受けられます。いったいどういう基準で色を選んでいるのだろう、と素朴な疑問が浮かびます。いつか調べてみたいです。

 

 

歩いて奈良公園を抜け、古い町並みが残ったならまちへ。このあたりを歩くと、軒先に布でできた赤い玉のようなものが、いくつか連なってぶら下がっているのが目につきます。これは「身代わり猿」というそうで、家族の人数分を軒に下げておくのだそうです。

 

元興寺で、曼荼羅や聖徳太子ゆかりの像などを鑑賞し、蚊帳地でできた布巾の店に寄ってから、「ならまち格子の家」へ。この地域の町屋を一軒復元し、自由に見られるようにしたところで、格子好きとして行ってみたかった家でした。

奥に長い町屋の中は、正面から見たより広く感じます。たたきにかまどがあり、2階への階段は箱階段になっていました。2階の窓の障子を、1階から縄で操作できる仕組みなどもあり、面白かったです。よしずを張った戸を網戸のように使っているのも、涼しげでよろしい。小さな家ですが、昔の人の工夫の跡が楽しいです。

 

 

奈良のあと、大阪を案内してくださるということで、難波にある「水かけ不動尊」へ。苔むした仏像へひしゃくの水をかけてお参りするという、ちょっと変わったお寺です。小さいお寺で、地元の人が買い物のついでに自転車で寄ってお参りしていくようなところでした。

水をかけるとき、仏像の頭から品よくかける人もいれば、お腹に向かってバシャバシャと大量に浴びせる人もいて、性格が出ているようで面白いです。

繁華街もそぞろ歩き、これが「かに道楽」、これが「道頓堀」といろいろ教えていただきました。