貴船神社

最終日は貴船神社へ。出町柳から叡山線・貴船口駅で下車、バスで2キロ、そこからさらに歩きます。参道に沿って、山から湧き出た清水が川となって流れています。水は透き通り、周囲の緑を映して見とれるほど綺麗でした。ここだけで来たかいがあったと思ってしまいます。

 

貴船神社は、和泉式部が恋愛祈願をして叶った、磐長姫命が自ら御鎮座なさったなど、数々の伝説の残るところです。「丑の刻参り」や「絵馬」の発祥地でもあります。

最近では、水の上に浮かべると文字が浮き上がってくるおみくじ「水占」や、恋愛のパワースポットとして知られているようで、そのせいか若い女性やカップルが多いようでした。

 

本宮で、穢れを払う人形流しのようなものがあったので、やってみました。

人形流しの方は、紙でできたひとがたに名前と年齢を書き、息を吹きかけ、ひとがたを撫でて自分の穢れをうつす、というもので、年に2回川に流す日があるのだそうです。その日まで神社に穢れが溜まってしまわないかというのは、余計な心配でしょうか…。

水占もやってみました。水につけると文字以外の部分に撥水加工がされているようで、文字にだけ水がしみて、字が浮かび上がるという仕組みのようです。悪くない占いだったので、結ばずに持って帰ることに。

 

そして奥宮に向かったのですが、意外に距離があり、道が狭いのに車は来るので大変でした。途中で引き返す人も多いのか、奥宮についてみると人が少なく森閑としていました。

和泉式部が来た頃は奥の宮しかなかったようだし、こちらの方が当時の面影があるのかもしれません。静謐な佇まいでした。

 

同行者がお腹が空いたと騒ぐので、あわてて降りて川床料理のお店へ。川床とは、川の中に杭を打ってその上に板をのせて作った、水上テラスとでもいうべきもので、貴船の夏の名物です。川に動かない船を浮かべて、そこで食事をいただくといった感じでしょうか。

川床には、ひやりと涼しく気持ちがいい風が吹いていました。お茶もすぐ冷めてしまうほどでしたが、温かいおそばが冷えた体にじんわり染みました。 

 

 

貴船は京都市内より5~10℃ほど気温が低いと聞きました。季節も遅れていて、今ツツジとユキノシタが満開。紅葉の葉はまだ少し小さいようでした。

秋の紅葉の頃には灯篭も灯るらしいですが、今は今で、青いもみじが一番きれいな時期。

緑が美しく、水は透き通り、清浄な空気が流れていて、本当に心が洗われるような場所でした。

帰る頃、体が軽くなっていたのは、ひとがたに穢れを移したからだけではなさそうです。