小さい頃は、桜餅は「おかあさんといっしょにつくるもの」でした。
でも小学校3~4年くらいから一人で作ろうとするようになり、今では桜餅作りは私の担当といった感じです。
思い返せば、桜餅を作るようになって十数年。この時期にしか作らないとはいえ、さすがに年季が入ってきたのか、だんだん出来栄えがよくなっているような気もします。
桜餅は関東と関西で皮が違います。関東は小麦粉の皮で、関西は道明寺粉を使った皮なのです。私が好きなのは道明寺のほう。独特の香りともっちりした食感が、より桜の葉の塩漬けに合うように思います。
道明寺粉と蜜の入った鍋に食紅を慎重に加えながら、いつも思い出すのは京都の老舗のお菓子屋さんの話です。そのお店では、最初はほとんど白に近い淡い桜色の桜餅をこしらえ、季節の移り変わりとともに少しずつ色を濃くしていく、というのです。
もちろん和菓子なので控えめの表現になるだろうけれど、きっと最後は凄艶ともいえる散り際の桜が表わされているんだろう、と勝手に想像をめぐらせてみたりします。
今回は、今年初めての桜餅なので、淡い桜色にしました。次はもうすこーしだけ、色を濃くするつもりです。
コメントをお書きください