謹賀新年

寒梅
寒梅

 明けましておめでとうございます。昨年は襖絵などにも挑戦することができ、制作の幅も広がりました。今年はもっと多くの作品を描いていきたいなと思っています。

 

 上の絵は最近描いた梅の絵(日本画)です。きりりと冷たく透き通っていて、でもその中に仄かな春の気配もにじんでいる。そんな早春の空気につぼみを綻ばせた梅の枝。……画像では伝わりにくいですが、そんなイメージで描きました。

 

 

 今年はお正月の飾りもいくつか作りました。無地の羽子板に絵を描いてほしいと、母に頼まれたままになっていましたので、それも描きました。

 梅にうぐいすの図は琳派画家の模写で、実物は掛け軸ですが、構図がちょうどよかったので借用。かなり渋くなりましたが、二十年くらいたてば古道具らしい味がつくのではないかと思っています。待つのも楽しみです。

 

 

 古道具といえば。今日、地元で開かれている骨董市に行ってきました。12、1月の骨董市はお正月用の食器や縁起物などがよく出るので、なにか面白いものがあるかなと期待して。そして見つけた今日の収穫が右下の写真。

 

 まず、目の覚めるような青、紫、青緑で馬が描かれた皿3枚。前に一枚だけ出ていたのを買ったので、これで4枚になります。

そんなに古いものではありませんが、作家ものらしく裏にサインもありました。

鮮やかな色遣いと、手描きの馬の躍動感、斬新だけど品のいい九谷風の意匠に惹かれました。後ろを向きながら駆ける馬も、縁起物だったように記憶しています。

 

 もうひとつは小さな壺。和・洋を気にせず花を生けられるような、小さな壺が欲しくてずっと探していたのですが、前に「わ、これいい!」と思った織部の壺は三万五千円。値切れたとしても買えない値段で、なくなく諦めたのでした。

 今回見つけた壺は、織部の壺とは全く違う意匠ですが、シャープだけど冷たすぎない形とかすかに青磁がかった白色が気に入りました。桐の箱に入った作家ものなのに、店主が大幅に値引いてくださって、思いがけない値段で手に入れることができました。若い人に骨董好きになってもらおうとの意図かもしれませんが、ありがたい限りです。

 

骨董市や骨董品店に足を運んだり、美術館でも工芸品をよく見るようになってから、だんだん目が肥えてきたのか、ついついハードルが高くなりがちですが、たまにこういう「普段使いのちょっといいもの」を手に入れることができると嬉しくなります。